1.高齢者の熱中症と初期症状
夏が近づくと「熱中症」に関するニュースが多くなりますが、熱中症で救急搬送される人
は年間10万人近くもいるのだそうです。そして、その約半数が65歳以上の高齢者と言
いますので、意外にも、暑い外で精力的に活動している若い世代の人より、自宅で静かに
暮らしている高齢者の方が多く発症していることになります。

一般的に「熱中症=暑い」と考えられていますが、熱中症とは「高温・多湿の環境により
体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調整機能がまともに働かなくなって、体内に熱
が溜まってしまう状態のことを言います。この条件に当てはまりやすいのが高齢者という
ことなのです。
加齢とともに体内の水分量は減る傾向にあります。一般的な成人の水分占有率は約60%
と言われていますが、高齢者は約50%程度に減ってしまいます。さらに、腎臓機能も低
下することで、必要以上に水分を排出してしまうようになります。また、食事量が減るた
め、食事による水分摂取が少なくなりますし、喉の渇きも感じにくくなります。そして、
皮膚の感覚も鈍くなることで暑さを感じにくくなったり、汗をかきにくくなり、体温が上
がっていても熱を発散しにくい状態になってしまうことで、熱中症になるリスクが高くな
るのです。近年は、コロナ感染症の影響でマスクを常用している人が増えましたが、これ
も体温を上げる要因の1つになっています。
このように、高齢になると、それだけでも熱中症になりやすい条件が揃いますが、周囲の
人が気をつけていれば、ある程度は防げるものでもありますので、一人住まいでなければ
周囲の人が気を配り、一人住まいの人も初期の症状を覚えて手遅れにならないように早目
に対処するようにして下さい。
2.熱中症の初期症状と対処法
熱中症の初期には、「頭痛」「めまい」「吐き気」「倦怠感」といった症状が起こります
が、実は、これらは特に熱中症に限ったことではなく、さまざまな不調時に現れるごくあ
りふれた症状であるという点で見落とされやすいと言われています。また、高齢者の場合
は、脇の下で測る体温は正確性に欠けていることが多く、熱中症になっていても体温計で
は異常が見られないこともよくありますので注意しましょう。

熱中症かも?と思ったら、まずは屋外なら「風通しの良い涼しい場所へ」、室内なら「エ
アコンなどが効いた部屋へ」移動するようにして、体の温度を下げるようにします。ペッ
トボトルを手で持ったり、衣類を緩めたり、うちわであおぐなど、すぐにできることから
始めましょう。
意識があり、嘔吐などの症状がない場合は、水分補給をしましょう。夏場は「経口補水液」
などを用意しておくと役に立ちます。ゆっくり、しっかり水分を補給するようにします。
意識の問題では、「自分の居る場所や名前が言える」「ペットボトルを渡して自分で水が
飲める」かどうかを判断基準にして下さい。意識がおかしいと感じたら、すぐに救急車の
手配をするようにしましょう。
熱中症が起きそうな環境で「頭痛」がするときは、頭痛薬を飲むのではなく、熱中症の基
本的な対処(体を冷やし、水分補給など)をして、1時間程度ようすを見るようにしまし
ょう。鎮痛剤常用者が脱水時に鎮痛剤を飲むと、筋肉細胞の壊死や腎臓障害を起こすリス
クがありますので要注意です。
です。これは正直に快適ですので、何か良い熱中症対策と考えている人はぜひ試してみて
下さい。
