1.女性の体は本来温かいはず
人間は、体温を一定に保つことのできる恒温動物なので、必要なと
きには自分で熱を作りだすことで、寒くても変温動物のように全身
が冷え切ってしまうことなく活動できるのです。
その熱を作りだすのが、「内臓」と「筋肉」で、動いていない時は
主に内臓が、動いているときは筋肉が担当することになります。
そして、その熱が血液に乗って身体を循環することで、身体の末端
まで温まり、熱を奪われて冷えた血液は、再び体の中心部で温まる
ということを繰返しています。
その内臓や血管の働きをコントロールしているのが、自律神経で、
私達の気付かないところで自動的に調整しているのです。
つまり、体に熱量が不足したら、交感神経が体を緊張させ、興奮さ
せることにより、筋肉や脂肪組織に働きかけて発熱を開始するよう
になります。
一方で、副交感神経は、筋肉の緊張を緩め、体をリラックスさせて
末梢の血行を良くすることにより、手足の先まで温めてくれること
になるのです。
なので、末端冷え性とは、この交感神経と副交感神経のバランス、
つまり、自律神経の働きがうまく行っているかどうかということな
のです。
その上に、女性には良好な妊娠環境を作りだすための保温装置も備
わっていて、黄体ホルモンが全身を温め、特にお腹まわりは温まり
やすくなっています。
黄体ホルモンが出っ放しの妊娠中は、あまり冷えを感じないのはこ
のためです。
2.末端を温めるには自律神経
女性に末端冷え症が多いのは、一般的に、男性に比べて筋肉量が少
ないからと言われていますが、確かに大きな発熱体である筋肉が影
響していることもありますが、それ以上に自律神経の乱れによると
ころが大きいと言えるかも知れません。
小さな子供が眠くなると、手足が温かくなりますが、これは体内の
熱を逃がしている状態で、自律神経の働きが正常であれば、大人で
も同じようなポカポカ状態になります。
つまり、寒いときに発熱を促す交感神経、その熱を手足まで流すた
めに血管をリラックスさせる副交感神経の働きがバランス良く行っ
ているかどうかということで、特に低体温(36℃以下)でなけれ
ば、手足の先の冷えに影響している可能性の高いのが、自律神経の
バランスがうまくとれていないということです。
とは、言っても自律神経なんて自由に調整できないじゃないか!と
いうことなのですが、学校へ行こうとするとお腹の調子が悪くなる
とか、病院へ着いたらとたんに良くなった、とかいう話はよく聞き
ますよね。
学校へ行く=緊張、病院に着く=リラックス、ということなんです
ね。なので、自らその環境を作りだしてやることも1つの手段とし
て使える方法なのです。
例えば、ミカンの持つ血行促進成分(リラックス成分)を製品化し
た江崎グリコの「冷え性予防サプリ」なども、間接的に副交感神経
に働きかけ、その効果を持続させるものとして使える手段ではない
かなと思います。