肩こりと頭痛の原因
体調不良の調査では、常に上位にランクされるのが「肩こり」で、全体の６割強、女性で
は８割程度が肩こりの自覚症状があると言われています。しかし、これほど多いと、自分
だけがおかしいという感じもせず、マッサージや塗り薬でごまかしながら生活していると
いう実態があっても特に違和感を感じません。
とは言っても、それが正しい肩こり解消法かというと、その後に肩こりが無くなったとい
う人がほとんいないことが何よりの証拠で、そもそも肩こりの原因が分かっていなければ
対処の仕方が分からないのも当然ということです。
肩こりの原因は「肩の周辺の筋肉の緊張による血行不良」というのが一般的な解釈で、そ
れに従えばマッサージや血流改善のための塗り薬というのも決して的外れという訳ではあ
りませんが、結果として肩こりが解消しなければ、やはりどこかがおかしいと考えるべき
だと思いませんか？
つまり、どうして肩の筋肉が緊張状態になったのかということです。この症状は「長時間
にわたり同じ体制を維持していた場合」と「目を酷使して作業に集中していた場合」に現
れる傾向にあるという点で共通しています。
次に頭痛ですが、頭痛持ちなどという都合の良い言葉があるためか、自分は「頭痛体質」
なんだとあきらめている人が多いですが、日本人にもっとも多いとされている「片頭痛」
や「緊張型頭痛」も、眼精疲労から発展した頭痛であることが多いのです。
目と頭は何となくつながっているということは、肩こりより理解しやすいと思いますが、
逆に、あまり目を酷使している訳でもないようなときには、その関連性を疑うことをしな
いところに問題があります。眼精疲労は、パソコンなどの長時間作業などだけで起こるも
のではなく、「メガネの度数が合っていない」「乱視や老眼が入ってきた」「フレームな
どの変形」といったことでも、見づらくなっていたり、血行が悪くなったりして目は疲れ
ることになります。
もちろん、すべての頭痛や肩こりの原因が眼精疲労であるとは言えませんが、それなりに
対処しても、なかなか頭痛や肩こりから解放されないようなときは、眼精疲労を改善する
ことでスッキリすることも少なくありません。
眼精疲労の緩和方法
そもそも「眼精疲労」とは何かということですが、目が痛い、涙が出る、チカチカすると
いったような目の症状全般につけられた総称ですが、昔は単純に「疲れ目」という言葉で
済まされていた経緯があります。そのためか、現在も眼精疲労を軽く見る傾向にあり、そ
の結果が「頭痛」や「肩こり」などという症状が国民病的に起きているとも言えます。
急に目が痛くなったり、異様なほどの肩こりに襲われたり、何もする気になれないといっ
たような気力の減退を感じて、病院で検査をしても特に異常が見つからないというような
症状を眼精疲労と言います。
異常が見つからないということは、病気としては認められず、治療法もないという困った
ものなのですが、それでも眼精疲労は確実に有って、頭痛や肩こりの原因になっているこ
とは事実です。
そこで、眼精疲労による症状をしっかり覚えて、できるだけ早めに対処することで眼精疲
労も、そこから派生する「頭痛」「肩こり」も防げる確率が高くなります。
眼精疲労の代表的な症状は「目がチカチカする」「普通の光でもまぶしく感じる」「モヤ
がかかったような感じがしたり文字がかすむ」「目の奥が痛かったりかゆみがある」「ま
ばたきが増える」「目が充血したり目やにが出る」といった自覚症状があったら、眼精疲
労状態にあると考えなければなりません。
やがて、肩こり・頭痛・イライラ・倦怠感・食欲不振・不眠などの症状を引き起こすこと
になります。
では、治療法のない眼精疲労をどうして緩和させるのかということになりますが、とりあ
えずは「スマホやパソコンなどから離れてできるだけ目を休める」ことです。次に「ホッ
トタオルを目に当てて血流の改善や新陳代謝を促し」ます。ただし、充血や目に痛みがあ
る場合は逆に「冷たいタオルで冷やす」ことで炎症を抑えます。
そして「ビタミンＡやビタミンＢなどの配合された目薬をさす」ことで、目の疲れはかな
り改善されますが、日常的に仕事などで無理やり目を酷使しているような人は、やはりそ
れだけでは心もとないかも知れませんので、目の機能に必要な成分も補給することをおす
すめします。