楽しいお酒はほろ酔いで
酒に酔うというのは、摂取したアルコールが血液に溶け込んで脳に運ばれた結
果、脳がマヒしている状態のことなんですね。なので、脳内のアルコール濃度
を測れば酔いの程度がわかるのですが、実際は血液に含まれているアルコール
濃度をもって酔い加減を6つの段階に分けているんです。
爽やかな気分になる「爽快期」、ほろ酔い気分になる「ほろ酔い期」、気が大
きくなる「酩酊初期」、千鳥足になる「酩酊期」、まともに立てない「泥酔期」、
揺り動かしても起きない「昏睡期」がその6つの段階で、お酒が楽しく健康的
に飲めるのは、アルコールの血中濃度が 0.1%の「ほろ酔い期」までと言わ
れています。
ビール中瓶なら2本、日本酒なら2合、ウイスキーシングルなら3杯というの
が、ほろ酔い期の基準です。
この程度のアルコールは、大脳の働きを抑え、本能や感情面が活発になり、解
放感を感じたり、陽気になったりすることで精神的にも良く、また血行を良く
して肌ツヤが良くなったりと男性にも女性にも好ましい飲み方と言えます。
しかし、アルコールの量が増えるに従って、脳のマヒも進み、知覚、運動能力
の低下、しまいには呼吸困難にまでなってしまうこともあり、最悪死に至るリ
スクもあるのです。
楽しいお酒は「ほろ酔い期」までとわかっていても、酒の席ではその程度で済
む人は稀ですよね。どちらかと言えば、そこからが本番という人の方が多いの
かも知れません。(笑)
では、そのアルコールが分解されるにはどの程度の時間が必要なのかというこ
とですが、もちろん個人差がありますが、一般論として言えば、体重65kg
前後の人で、特別アルコールに弱いタイプでない人は、1時間に処理される量
が7~8g、350mlのビールで2~3時間は必要ということになります。
二日酔いを防ぐためには
アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに変り、更にALDH2という酵素の働
きで酢酸に変わります。ところがこのALDH2には3つのタイプがあり、酵
素の活性が強い人、弱い人、活性のない人に分かれるのです。
つまり、活性速度の速い活性型の人はお酒に強く、低活性型の人はお酒に弱く
活性のない人は遺伝的にお酒が飲めないタイプということになります。
そして、このタイプは遺伝子で決まっていて生涯変わることはありません。
日本人の場合は、約40%が低活性型、約10%が非活性型と言われています
ので、ほぼ半数の人はお酒に弱いということになります。
それ以外にも、体内の水分量や体重、男女、年齢、体格などでかなり大きな違
いが出てきますので、自分の限界をよくわきまえて楽しいお酒を飲むようにす
ることもマナーの1つです。
自分の限界を超えてお酒を飲むと、アルコールの分解が追いつかず、飲んだ翌
日まで残ってしまうことになります。これが二日酔いですが、この状態で車を
運転すると飲酒運転になりますので注意しましょう。
では、お酒を上手に飲むにはどうすればいいのかというと、まず避けなければ
ならないのが「一気飲み」です。肝臓に急激に大きな負担がかかるので、急性
アルコール中毒に陥りやすく、二日酔い程度の問題ではなくなりますので絶対
禁止行為です。
次に、お酒と一緒に「おつまみ」を食べることです。食べると太るという心配
をする人もいますが、毎日でなければそれほど気にすることでもありません。
豆類や肉類などタンパク質を多めに食べるのがおすすめです。
また、アルコールは利尿作用があるため水分が不足しがちですので、酒の合い
間に水を飲む習慣をつけましょう。脱水状態を予防するだけではなく、血中の
アルコール濃度を抑えることにもなり、胃や腸への刺激も抑えることに役立つ
のです。
そして、忘れてはならないのが、自分は酒に弱いと自覚している人は、飲み過
ぎ対策のサプリメントなどを使用するだけで、翌日の気分にかなりの違いがあ
りますので上手に活用することです。
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