１．中性脂肪を正しく理解する

トクホなんて書かれた「中性脂肪が気になる方」のための商品が、
コンビニやドラッグストアでも氾濫していますが、この「気になる」
という意味は「高すぎる」ことでしょうか、「低すぎる」ことでし
ょうか、そんなこと気になったりしませんか？
 
そもそも中性脂肪とはどういうもので、どんな働きをして、正常値
とはどれぐらいで、高すぎた場合、低すぎた場合にどういう問題が
出てくるのか知っている人はどれくらいいるのでしょうか。
 
ということで、いろいろ調べてみても難しい成分の名前や専門用語
が列記されていたりで、結局よく解らなかったという人のために、
簡単に説明してみます。
 
　　　　　
 
中性脂肪とは、日々の生活で使い切れなかったエネルギーが予備燃
料として貯蔵されているもので、よく事故などで何も食べずに数日
間経過後に生還したというような話も、この中性脂肪のお蔭なんで
すね。
 
しかし、ほとんどの人の場合は、そのような状況になることも少な
く、どんどん蓄積されて、内臓や血中、皮下に蓄え続けられること
になります。
 
そして、皮下脂肪が増えれば「肥満」、肝臓に増えれば「脂肪肝」、
血液中に増えれば、有名な血液ドロドロという言葉を思い出される
人も多いと思いますが「動脈硬化」のリスクが高くなり、それらを
全般的にとらえれば「生活習慣病」のリスクが大きくなるというこ
とになるのです。
 
では、基準値より低ければいいのかというと、もともとエネルギー
が不足状態にあるから蓄えがないという状況なので、すぐに燃料切
れになりやすく、しかも予備燃料もないということで、疲れやすく、
なかなか疲労回復できないということになります。
 
　　　　　
 
また、中性脂肪は体温調整とも関係しているので、低体温や冷え性、
免疫力低下、抜け毛、肌荒れといった問題が出てくることもよくあ
ります。
 
なので、中性脂肪の基準値「３０～１４９mg/dl」に留まることが
できるようにするのが理想で、多すぎても、少なすぎても問題があ
るということになります。
 

２．中性脂肪の調整の仕方

特に思いあたることもなく中性脂肪が高かったり、低かったりする
場合は、「甲状腺機能」などの病気が関係していることもあります
ので、そちらの治療を受けなければなりません。
 
そして、特に肥満でなくても血液中や内臓周囲に中性脂肪が蓄えら
れている人もいますので、健康診断などで注意することが必要です。
 
中性脂肪は、過剰エネルギーの蓄積ということなので、病的な問題
がなければ、少なすぎる場合の原因はダイエットなどによる食事制
限や運動選手並みの過度な運動といったことになりますので、それ
らを控えればいいだけで比較的対処しやすいと思います。
 
　　　　
 
ところが、原因も対処法もわかっていても難しいのが高い場合で、
好き嫌いの問題もありますし、長年親しんできた食生活を一気に変
えるということは容易ではありません。
 
更に、すでに多めに蓄積されているものを落としながらとなれば、
並々ならぬ決心で臨まない限り成功はしません。
 
その上、脂肪が蓄積しているのですから、運動もできにくい環境に
あることは容易に想像できますし、ストレスの多い仕事環境である
こともよく聞かれるところです。
 
実は、ストレスというのも中性脂肪と関係する悪材料の１つなんで
すね。
 
　　　　　
 
これらを総合すると、中性脂肪を落とすには、食事内容を変えて、
糖質や脂質の多い物を減らし、過食はやめること、運動不足やスト
レスの解消、といったところですが、気をつけて欲しいのがストレ
ス解消にアルコールというのは逆効果で、アルコールも中性脂肪を
増やす原因のひとつになります。
 
そこで、最近よく目にするのがトクホなどの「中性脂肪が気になる
方へ」商品ということなのですが、中性脂肪を下げる薬は、もとも
とは処方箋が必要な医薬品で、中性脂肪値が１５０～３００mg/dl
の人しか購入できなかったのですが、近年は、いわゆる「血液サラ
サラ」効果で有名になりました「ＥＰＡ」や「ＤＨＡ」などのサプ
リメントなども登場して、誰にでも入手できる環境にありますので、
比較的軽度の中性脂肪対策としては十分使えます。
 
　　　　
 
逆に、中性脂肪が少ない人は、多い人の逆で、まずはしっかり３度
の食事をすることで、特に炭水化物を多めに摂ることから始めるこ
とです。
 
多すぎる人の病気に対するリスクに比べると、低すぎる人の場合は
それほど大きな問題を抱えている訳でもありませんので、少しずつ
でも改善する方向で、食生活の充実から目指すことです。