1.疲労骨折が起きやすい部位
一般的に骨折と聞けば、何か大きな力が加わって骨がポッキリと折れてしまうような状態
をイメージすると思いますが、もうひとつ、同じ部位に小さな力が繰り返し加わることで
発生する疲労骨折があります。
主にスポーツ選手に多く見られますが、この場合は外傷による骨折のように、強い痛みや
腫れ、皮下出血などの、すぐに骨折と分かるような症状がありません。そのため、運動を
しているときに多少の腫れや痛みがあっても、そのまま運動を続けてしまう傾向にあるた
め、最初は骨に入った小さな亀裂でも、やがては完全な骨折状態になってしまいます。

疲労骨折が起こりやすい部位としては、運動による負荷を受けやすい中足骨(足の甲)、
脛骨(すねの内側)、腓骨(すねの外側)が多いですが、肋骨や大腿骨、尺骨(前腕)な
どに見られることもあります。
疲労骨折が起きる原因としては、本人の筋力バランスの不均衡、筋力不足、技術不足、柔
軟性の不足などの他、運動場所の固すぎ・柔らかすぎ、合っていないシューズ、トレーニ
ングのし過ぎ、体力や能力に合わない練習法などが主なものと考えられています。
また、スポーツをしていない場合でも、長期間にわたり咳が続いているようなケースでは
肋骨に疲労骨折が生じることがありますし、閉経後の女性はホルモンバランスの乱れから
骨密度が低下して、それほど目だった身体活動をしていなくても疲労骨折が発生する可能
性があります。
2.疲労骨折の予防と改善方法
体のどこかに痛みを感じるようなときは、体に何か異変が起きているというサインですの
で、まずは安静にして経過を見るのが基本です。専門的な指導を受けているような運動選
手なら、すぐに専門の医師の診断を受けるなど適切に行動すると思いますが、そうでなく
ても、体に痛みや違和感を感じたときには、安静にして慎重に対処することです。
特に、中足骨・脛骨・腓骨・肋骨・大腿骨・尺骨などに痛みを感じたようなときは、例え
軽度の痛みであっても、とりあえずは運動を中止して、その痛みが捻挫によるものか、筋
肉痛によるものか、疲労骨折によるものかを慎重に見極めることが大切です。

疲労骨折の場合は、運動を中止して、その後1~2カ月の休息をとることで、ほとんどの
場合は快方に向かいます。ただし、練習再開後に再び同じ箇所に負担がかかるような状態
を繰り返していると再発することも少なくありませんので、前述の何が原因になっていた
のかもしっかりと確認して調整する必要があります。
外傷の覚えがなく、運動時に疼痛があり、安静にすると軽快になるというパターンでは、
そのまま運動を続けていると、やがては安静時にも痛みが現れるようになります。これは
疲労骨折が進行している重要なサインですので、早期に整形外科を受診しましょう。
疲労骨折を予防するには、一部分に過度な負担がかからないように注意して、運動内容や
運動環境にも変化を持たせるような計画を立ててするようにしましょう。
適度な運動などを通じて骨密度の低下を改善するようにしましょう。