1.低体温症と初期症状
私たちが一般的に熱を測るときは、脇の下など体の表面で測定しますが、この場合の温度
は「皮膚体温」と言います。そして、普段はあまり測定することはありませんが、内臓や
脳など、体の内部の温度のことを「深部体温」と言います。
皮膚体温は、そのときの気温など環境によって多少の誤差が生じることが多いですが、深
部体温は概ね38℃で保たれています。最も温度が高いのが肝臓で38.5℃ と言われて
いますが、深部体温の測定は、基本的には直腸用の体温計で行いますので、直腸の温度で
ある38℃が正常時ということになります。そして、この直腸の温度が35℃以下になっ
た場合が「低体温症」ということになります。
深部体温は、脳や心臓など直接生命にかかわる臓器の温度であるため、30℃以下になる
と半数近くの人が死亡する可能性があると言われています。
低体温症の原因と言えば、雪山登山や水難などをイメージする人が多いですが、体を自由
に動かせないような状況下では、地面に座る、風に当たるといったことでも低体温症にな
ることがあります。熱産生が低下する状態では、わずかに熱喪失量が増えただけでも低体
温症になる可能性が高くなるのです。つまり、条件が揃えば気温15℃の室内でも起こり
えるということなのです。実際のところ、低体温症の7割以上が室内で発症していると言
われていて、熱中症と同じくらいの危険度とされています。

深部体温が低下したときの初期症状は、体が激しく震える「シバリング」が起きることで
す。これは筋肉を小刻みに動かすことで熱を作り出して体温を維持しようとする本能的な
現象です。体温が下がるにつれて、さまざまな症状が現れてきますが、自力で何とか回復
可能なのはここまでです。その後は体温が低下するたびに、動作が遅く、反応に時間がか
かるようになり、判断力がなくなり、やがては昏睡状態になってしまいます。
2.低体温症の対処方法
誰もが寒さを意識するような時に、自分はもちろん、周囲の人にシバリングの症状が出た
ら、まずは「体を温める」ことです。熱の喪失を防ぎ、体を温めて、深部体温が35℃に
なるように工夫しましょう。具体的には、温かい場所があればそちらへ移動、衣類が濡れ
ていれば着替えや毛布・ブランケットなどで体を覆い、帽子やマフラーなどで、少しでも
熱の放散を防ぎ、温かい飲み物や食べ物で内部からも温めるようにします。

正常時ならアルコールも体が温まるような感じがしている人も多いかも知れませんが、実
は、アルコールは血管を広げて熱を放散させる作用がありますので好ましくありません。
体が温まるとシバリング(震え)はとまりますが、体温がさらに低下している場合も同じ
く震えがなくなります。正常時に近くなれば回復傾向と判断しても良いと思いますが、動
作や反応に時間がかかる、判断力や意識が低下するような場合は重症化している可能性が
高いので、すぐに救急車の手配をするようにしましょう。
りますので、発症リスクの高い高齢者がいる家庭では、まずは予防に積極的に取り組むこ
とが大切です。私は、外出時にも、車にも震災用のサバイバルブランケットを携帯してい
て、まだ実際にはどれほどの効果があるかは分かりませんが、試験的に使ってみたところ
では、かなり期待できそうでしたので常備しています。それほど高価なものでもありませ
んので、冬のドライブ時などに有ると心強いアイテムとしておすすめします。