1.足底筋膜炎の原因と症状
足の裏をじっくり見るのは、足の裏にマメができたときやケガをしたときぐらいだろうと
思いますが、その足の裏の内側には足底筋膜(足底腱膜)と呼ばれる、踵の骨から足指の
付け根に向かって扇状に広がる組織体があります。土踏まずと呼ばれるアーチが維持でき
ていたり、歩行やランニングの際にクッションの役割を果たす重要な存在なのですが、一
般的には、その存在すら知られていないことが多いようです。

この組織に繰り返し過度な負担がかかると、炎症や微細な損傷が起きることになり、痛み
として感じるようになります。これが初期の足底筋膜炎で、慢性化すると、足底筋膜が厚
くなり、痛みも持続して感じるようになります。
足底筋膜炎の原因としては、複数の因子が重なって起きていることが多く、その主な因子
としては、急激な運動量の増加、長時間の立ち仕事、偏平足、ハイアーチ、筋・腱・関節
の柔軟性の低下、股関節や体幹の問題、生活習慣の影響(合っていない靴、急激な体重の
増加など)といったさまざまなものが含まれることになります。
症状の代表的な特徴は、朝の一歩目でかかとが鋭く痛む、ということです。動き回ってい
ると軽快しますが、長時間の歩行や運動で悪化することが多いとされています。
ただ、歩いていなくても常に痛みを感じるとか、夜も痛みやしびれがあるといった場合に
は、すでに重症化していたり、他の病気の可能性もありますので、医療機関を受診するこ
とをおすすめします。
2.足底筋膜炎の治療と予防
病院へ行くと、いろいろな検査をされますが、治療の約80%は保存療法で改善するとい
われています。超音波治療や薬物・注射治療などが病院では行われますが、自分でもでき
ることは積極的に取り入れて行きましょう。
とりあえずは、痛みが落ち着くまでは運動量や運動の内容を下げて、運動後にはアイシン
グや足裏マッサージ、ストレッチなどを実施するようにしましょう。

トレーニングとしては、足ゆびの運動が効果的です。タオルギャザーや足ゆびグッパー、
短母趾屈筋トレーニングの他、インソールやヒールパッドなども有効な方法として推奨さ
れています。回復の目安としては、軽度なら2~6週間、中等度なら1~3カ月、慢性化
している場合は6~12カ月程度必要とされていますが、適切に治療することで、80%
の人は改善すると言われています。
また、再発の予防には、自分の足に合った靴を選ぶこと、ストレッチを習慣化すること、
足ゆびの筋トレをすること、体重管理をすること、などを意識することで再発率はかなり
抑えられると言われています。
足底筋膜炎は、10~20代の若い人では、激しいスポーツや運動を繰り返し行うことで
足の裏に強い衝撃を受けて、足底筋膜がダメージを受けることが多いとされています。ア
スファルトで舗装された硬い道路を走ることが多い人は注意しましょう。
高齢者は特に激しい運動をしていなくても、老化によって足底筋膜が弱くなるため足底筋
膜炎になりやすい傾向にあります。運動時はもちろんですが、長時間の立ち仕事や、肥満
など、足の裏に負担がかかるような状態をできるだけ避けるようにしましょう。