1.坐骨神経痛の原因と症状
坐骨神経痛とは、腰から太もも、足裏・足先まで伸びる坐骨神経に沿って生じる痛みや痺
れのことを言います。ただ、坐骨神経痛というのは病名ではなく、腰椎椎間板ヘルニアや
腰部脊柱管狭窄症などの症状として現れる症状名です。そして、これらの原因疾患の根底
にあるのは、加齢や運動不足による筋力低下ということになります。他にも、長時間の座
位や無理な姿勢、肥満なども原因となっていることがあります。

症状としては、すでに腰椎椎間板ヘルニアなどを経験した人ならすぐに分かると思います
が、鈍い重だるさや鋭い電気が走るような痛みなど、個人差はあるものの、足先に力が入
らなくなったり、歩行困難な状態になったりすることもあります。
腰椎椎間板ヘルニアのように、急に激しい痛みにおそわれることもありますが、長く座っ
ていたり、立ち上がるときに鋭い痛みが走るとか、腰をひねったり曲げたりしたときに痛
みがある、歩いているいるときに脚の裏側が痺れる、お尻に重だるいような違和感がある
といった症状を自覚しているようなときは、一応は坐骨神経痛を疑ってみる必要があるか
も知れません。
特に、デスクワーク中心で座っている時間が長い人、猫背や骨盤の歪みなどで姿勢が悪い
人、運動不足で筋力が低下している人、体重の増加が気になっている人などは、坐骨神経
を圧迫しやすくなりますので、坐骨神経痛のサインらしいものを感じたら、まずは日常生
活を改善して、できるだけ発症リスクを下げることを意識する必要があります。
2.坐骨神経痛の予防と改善
坐骨神経痛の予防には、普段の生活で姿勢や動作に少し注意を払うことから始めます。例
えば、ソファーのような柔らかい椅子ではなく、カチッとした椅子に深く座るとか、仕事
の合間に軽い体操やストレッチなどで血行を良くするとか、入浴時には湯舟に浸かってし
っかり温まる(特に腰まわり)といったことから始めるのです。
そして、時間のあるときには、背筋や腹筋などの軽い筋肉トレーニングなどを加えてみま
しょう。筋肉トレーニングまでいかなくても、最低限肥満にならないように何か軽い運動
を習慣化するようにして下さい。
つまり、坐骨神経痛の予防には、血行促進と筋力強化がもっとも必要な要素ということに
なります。症状がそれほど深刻な状態でなければ、坐骨神経痛は自然に治ることが多いの
で、筋力強化と血行促進を目指しながら、姿勢を改善したり、長時間同じ姿勢で座ってい
たりしないように注意をすることです。

症状の改善に有効な方法とされているのが、前傾姿勢になることです。前傾姿勢になると、
圧迫されている神経や血管が改善される可能性があるということです。どの位前傾になる
のかが難しいところですが、ちょっと杖をついて歩くような前傾姿勢になります。自転車
に乗っているときの姿勢も良く似た効果が期待できるいわれています。ただし、やり過ぎ
て、逆に腰椎に負担がかからない程度にしておきましょう。
いずれにしても、坐骨神経痛の予防・改善には、腰を温めること、筋力をつけて正しい座
り方・姿勢を常に意識して腰に負担をかけないことが基本です。また、痛みがひどいとき
は、症状を悪化させないように安静にしたり、場合によっては市販の痛み止めなども利用
しましょう。数日経っても改善しないようなら整形外科を受診して下さい。