高齢者の転倒リスクと最低限必要な予防対策

高齢者の転倒リスクと最低限必要な予防対策

《本ページはプロモーションが含まれています》

1.高齢者が転倒するリスク

人生で一度も転んだことがないという人はいないと思いますが、普通に転んでも、高齢者
の場合は少し事情が違います。転倒による死亡者数が交通事故による死亡者数の5倍以上
と言えば、その深刻さがおわかりでしょうか。もちろん、転倒したら即死亡というもので
もありませんが、たった一度転倒しただけでも骨折して寝たきりになってしまったり、頭
部外傷などの大ケガにつながることが多いのです。

高齢になると、筋力やバランス機能、瞬発力、柔軟性などの身体機能全般が低下します。
つまり、日常的に運動不足になり、運動機能が低下して、ふらついたり、つまづいたりし
やすくなります。さらに、視力や聴力も低下して障害物などに気付きにくくなることなど
で、転倒リスクが増えることになります。

若いときに転倒するのは、スポーツや屋外活動の最中であることが多いため、高齢者も同
じと考えて対策をしていることが多いようですが、実は、高齢者の転倒事故は、意外にも
その約6割がよく知り尽くした自宅内で起きているということなのです。また、65歳以
上の人では、年間で3人に1人が転倒していると言われていますので、転倒確率はかなり
高いということになります。

そして、転倒と言えば、すぐに思いつくのが骨折ですが、高齢者の場合は脊椎・大腿骨近
位部・橈骨・上腕骨近位部の骨折が目立つようですが、日本では脊椎圧迫骨折と大腿骨近
位部の骨折が特に多いと報告されています。

高齢者の転倒では、その約30%が中等症以上のケガ(骨折・頭部外傷など)が生じて、
5年後の生存率は約40%と言われています。つまり、転倒後死亡リスクが非常に高いと
いうことなのです。また、死亡に至らないまでも、もとの生活に復帰できる割合はとても
低く、さらに、再転倒リスクも倍増するとも言われています。

2.高齢者の転倒予防と対策

高齢者に限らず、屋外にいるときは注意しながら歩く意識がありますので、路面凍結や予
期せぬ段差などがないところではあまり転倒することはありません。しかし、良く知り尽
くしているはずの室内では気が緩み、少しの段差やカーペットなどにもつまづくといった
ことが珍しくないのです。

そのような不注意によるものも含め、高齢者の転倒は、筋骨系・神経系・感覚系などのシ
ステムの複数の低下により、姿勢保持や歩行バランスが崩れることが転倒を招く原因であ
るとされています。なので、まだ60代の人なら、まずはそのバランス機能の能力を強化
するところから始めてみると良いかも知れません。

体幹や下肢の筋力強化が中心になります。代表的なものにプランクやスクワットがありま
す。バランストレーニングとしては片足立位がもっとも簡単な方法に」なります。もちろ
ん、他にもいろいろありますが、まずは誰にでもすぐできる、これらの方法だけでも始め
てみることをおすすめします。

次に、もっとも転倒事故が多いとされる家庭内での転倒防止対策です。できるだ段差を少
なくしたり、床を滑りにくい素材にしたり、十分な照明を確保したり、障害となるような
物品を取り除くことなどが中心になります。

同時に、高齢者自身もロコモトレーニングなどをできる範囲で始めてみるとか、不必要に
服用しているような薬を見直してみることも大切です。多くの薬には副作用で身体機能の
低下につながるような成分も含まれています。

ただ、もっとも重要なポイントは、高齢者は室内外を問わず、ゆっくりとした動きをする
ことと、注意力を継続することです。いつもの場所だからと注意力が散漫になる瞬間が転
倒事故のもっとも起きやすい瞬間なのです。