1.シーバ病の原因と症状
10歳前後のスポーツ好きの子供(男子に多い)をお持ちのご家族の方で、子供さんの「
かかとが痛い」といった訴えを聞いたことはないでしょうか。かかとを押したとき、歩行
時、などにも痛みを感じることがありますが、特に過度な運動をした後などに痛むことが
多く、つま先で歩かなければならないほど痛むこともありますし、熱を帯びて腫れること
もあります。このような症状をシーバ病と言います。

シーバ病の主な原因は、アキレス腱によって踵骨骨端核が引っ張られることです。子供の
かかとの骨は、成長軟骨と踵骨骨端核に分かれていて(大人になるとこの2つの骨が合わ
さって、1つの骨(踵骨)になります)脆い状態になっています。
この踵骨骨端核とアキレス腱がつながっていて、運動することで、アキレス腱の力が持続
的に加わって踵骨骨端核が引っ張られることにより、踵骨骨端核の周辺で炎症が引き起こ
された状態がシーバ病です。
初期の頃は、痛みがあっても足を動かすことは可能なので、ついつい無理をして運動を続
けてしまうことが多いですが、悪化すると歩行困難になってしまうこともあります。特に
バスケットボール、サッカー、体操など、ランニングやジャンプが繰り返し求められるよ
うなスポーツをしている成長期のお子さんをお持ちのご家庭では、かかとを気にしている
様子やつま先立ちで歩く姿を見たら、とりあえずは激しい運動をしばらく控えるようなア
ドバイスをするようにしましょう。
2.シーバ病の改善と予防
シーバ病であるとわかっても、その痛みがいつまで続くのか、どの段階でスポーツに復帰
できるのかといったようなことで不安を持っている人も多いと思います。そこで、痛みを
軽減しながら、早く回復するための対処の仕方を書いておきます。
対処の仕方を間違えなければ、基本的にシーバ病は手術などを必要とするものでもなく、
保存療法で改善することができる種類の病気です。ただし、発症初期の対応の仕方で、そ
の後の回復期間に大きな差が出てきます。
まずは、炎症を抑えることを最優先で行います。一般的には、安静にして症状が改善する
のを待ちます。特に痛みが強いようなときには、氷嚢や保冷剤をタオルで包んで、かかと
を20分程度冷やすことで、痛みの軽減が期待できます。
痛みがある間は、運動を休むことはもちろんですが、日常生活でも必要以上に歩き回るの
を控える必要があります。できれば体育の授業も見学許可をもらうようにして下さい。
して、できるだけかかとの衝撃を少なくする工夫をしてみましょう。

痛みが落ち着いてきたら、痛みを感じない程度でストレッチやマッサージをして、ふくら
はぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)の柔軟性を高めるようにしましょう。壁に手をついて、痛みの
ある足を後ろに引いて、ふくらはぎを伸ばすような運動をすることです。筋肉が柔軟にな
ることで早期の回復が期待できるようになりますし、再発の予防にもなりますが、あくま
でも痛みを感じない程度で行うことです。
回復までの期間は、個人差がありますが、軽症で適切に対処した場合は1~2カ月、中等
度の場合は2~3カ月、重症の場合(歩行困難状態)は6カ月以上と言われています。
回復の目安は、日常生活で痛みを感じない、かかとに熱や腫れがない、軽いジョギング・
方向転換・ジャンプなどの動作で痛みがでない、などをクリアできているかどうかで判断
するようにして下さい。回復しても、スポーツへの復帰は段階的に行い、最初は軽くラン
ニング程度から始めるようにしましょう。
セルフケアを続けても症状が改善しない場合は、早目に医療機関で検査を受けるようにし
て下さい。