1.脳の血流と認知機能
将来なりたくない病気で堂々の1位をキープしているのが認知症なのだそうです。確かに
家族や周囲の人への負担を考えればそのようになるのかも知れません。
脳の機能がピークを迎えるのが20歳頃と言われていて、その後は徐々に低下を続けて、
50代からは急速に衰えると言われています。50代以降の人には何となく思い当たると
ころがあると思いますが、その大きな要因の1つが脳の血流量の低下であることはあまり
知られていません。

認知症と言えば、脳の神経細胞の脱落や萎縮などによるとされていて、それは間違いでは
ありませんが、その前に慢性的な脳への血流の低下が関係していると言われています。つ
まり、脳への血流量が低下することで、脳に酸素や栄養が十分に行き届かなくなることが
認知機能障害の1つの因子であるということなのです。
もちろん、それで認知症そのものの原因が解明されたという訳でもありませんが、少なく
とも脳血流の低下は認知機能の低下と関係があることは確かです。脳血流の短期的な低下
は、睡眠不足やストレスなどでも起こりますが、そのようなときには頭の回転が良くない
と自分でも感じることができると思います。高齢になると生活習慣病による動脈硬化や運
動不足などで、慢性的に脳への血流が低下していることが多くなりますので、記憶力の低
下や認知症のリスクが高くなるということにもなります。
2.脳への血流の改善法
認知症や認知機能の低下などで行き着くことが多いのが、脳の活性化という言葉ではない
かと思いますが、そのためのトレーニングとしてパズルや計算式、まちがいさがしなどい
ろいろな方法が紹介されています。
これらが目指すところは、脳に血流をめぐらせ、脳の血流を豊富にするための手段という
ことで、つまるところ、脳の活性化とは脳の血流量を豊富な状態にするということなので
す。特に、集中力や注意力を司る前頭葉は、加齢にともない血流量が少なくなることが分
かっていて、もの忘れや認知症に関係する要素の1つとしてとらえられているのです。

ということは、加齢による認知機能の衰えを予防するには、脳の血流を良くして脳を活性
化させることになります。その方法の1つが、クイズや間違い探しなどの脳トレになるの
です。もちろん、他にも脳を含め全身の血流を良くする運動を習慣化することも役に立つ
方法の1つです。
また、脳の血流に特化すれば、指を動かすような趣味を始めることも良いようです。指先
を動かすと脳を刺激することになり、脳の血流が促進されると言われています。
それとは逆になりますが、近年、注目されている脳の活動に、デフォルト・モード・ネッ
トワークという、何もせずにぼんやりしているときに、脳が情報や記憶の整理整頓をし、
脳の疲れをとるというシステムが活性化されるという説です。つまり、従来の「何かをし
ているときの脳の活動」ではなく「ぼんやりしているときの脳の活動」に注目したもので
す。
他にも、いろいろなところで言われている生活習慣病対策、睡眠の質の向上、栄養バラン
スの良い食事、禁煙、ストレス解消、過剰飲酒、などにも注意して下さい。近年はプラス
要因としてスマホによる脳過労なども前頭葉への血流の減少に影響すると言われています。