1.鼻せつの原因と症状
鼻が赤く腫れて痛みをともなうといった経験をした人は多いと思います。これは、鼻の入
口付近の皮膚に細菌が感染したことで炎症が起きる感染症で「鼻せつ」と呼ばれています。
症状は数日で治まることが多いですが、なかには膿をともなったり、さらに感染が奥深く
まで伸展して、蜂窩織炎や海綿静脈洞血栓症などの合併症を引き起こすことがあります。

鼻せつの原因菌は、主に黄色ブドウ球菌とされています。鼻毛を抜いたり、鼻をかみすぎ
たりすることで細菌が毛穴から侵入して感染します。また、鼻をいじる癖のある人も、鼻
の穴の入口に小さな傷ができてしまって、そこから細菌が侵入することがあります。
黄色ブドウ球菌そのものは、人間の皮膚や粘膜に生息している細菌で特別なものではあり
ませんが、糖尿病やステロイド薬の使用などで免疫が低下しているようなときに症状が現
れやすくなります。
鼻せつの初期症状は、鼻の穴の入口に細菌が入ったあと、鼻に赤みや腫れなどの炎症が生
じます(鼻前庭炎)。このような状態に「おでき(せつ)」ができた状態のことを「鼻せ
つ」と呼びます。
鼻せつは、赤く盛り上がった発疹や膿をもった膿疱ができますが、数日から10日ほどで
膿瘍へと変化して、膿が出ることもありますが、その後に腫れや痛みの症状は急速に解消
されて行きます。ただ、細菌が鼻の奥まで侵入して炎症が悪化するような場合は、できる
だけ早く耳鼻科を受診することが必要です。放置してどんどん悪化すると合併症のリスク
が高くなりますので注意が必要です。
2.鼻せつの治療と予防
鼻せつの治療には内服薬(抗菌薬)や点滴などが用いられますが、だいたい1~2週間で
改善されることが多いようです。ただ、膿瘍が認められるような場合は、膿を排出するた
めの切開手術が行われることもあります。
手元にあれば塗ってみるのもありかなと思います。鼻の穴に塗ることは難しいので赤くな
っている鼻(皮膚)の上から塗ってみましょう。ただし、成分にもよりますが、ステロイ
ド系のものは粘膜質に塗ってはいけません。

鼻せつは、子供から若年層に比較的発症しやすいと言われています。鼻をいじくる癖があ
ったり、鼻を強くかみすぎてしまったりすることで、傷ができやすくなって、感染リスク
が高くなるということのようです。さらに、患部を気にしてさわることで、余計に症状が
悪化してしまうことにもなるようです。
以上のことからわかるように、鼻せつの予防としては、必要以上に鼻を刺激することを慎
むことです。鼻毛は抜かずにハサミで切る、鼻の穴は指ではなくティッシュなどで拭き取
る、鼻の脂を絞り出したりしない、ことです。心当たりがあれば改めましょう。
鼻せつはそれほど長期化することはありませんが、1週間以上続いたり、どんどん悪化し
ていくような場合は、他に原因があるかも知れませんので、早目に医師に相談するように
しましょう。