1.尿漏れの原因
尿漏れの原因は「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」があり、両者が併発することもあり
ます。クシャミをしたり、立ち上がろうとしたときなど、腹部に力が入ったときに漏れて
しまうのが腹圧性尿失禁、急に強い尿意を感じて、トイレに駆け込むも間に合わず漏らし
てしまうのが切迫性尿失禁です。

腹圧性尿失禁の原因は、骨盤底筋群の緩みです。骨盤底筋群とは、骨盤の底の部分に張っ
ている「筋肉」「靭帯」「筋膜」の総称で、これらの働きで「臓器のずり落ち(臓器脱)」
や「尿失禁・便失禁」などが起きることなく普通の生活ができているのです。
言い換えれば、骨盤底筋群が緩むことで、膀胱の位置が不安定になったり、尿失禁や便失
禁などのトラブルが起きやすくなるということになります。
骨盤底筋群が緩む原因は、エストロゲンの低下、妊娠・出産、肥満、便秘症などで、出産
を経験した更年期以降の女性に多い傾向にあると言えます。肥満も骨盤底筋群の負担を増
やすことになるためですが、特に何度もダイエットに失敗して肥満になっている人は注意
が必要です。ダイエットにより栄養不足・運動不足で筋力が落ちているところに、リバウ
ンドで脂肪だけが増える状態になり、さらに負担が大きくなるためです。
便秘症の人は、直腸に便が溜まった状態ですので、骨盤内の臓器が圧迫される時間が長期
化することで、それを支える骨盤底筋群が伸びてしまいます。また、排便時に強くいきむ
ことで、さらに骨盤底筋群に負担がかかることになってしまうのです
切迫性尿失禁の原因は、脳梗塞・脳卒中などの脳血管障害、骨盤底筋群の緩みによる子宮
や膀胱瘤・直腸瘤(膀胱や直腸の一部が膣から脱出した状態)、過活動膀胱などですが、
骨盤臓器脱の場合は、膀胱や尿道が圧迫されることで起きる尿失禁なので、腹圧性と切迫
性が併発する状態になります。
過活動膀胱とは、神経の異常で膀胱の制御機能が正常に働いていない状態で、頻尿や切迫
性尿失禁を引き起こすことになります。
2.尿失禁の改善
腹圧性尿失禁の場合は、骨盤底筋群の強化トレーニングや肥満・便秘の解消などを中心に、
地味な努力を続けることで改善効果が実証されています。しかし、切迫性尿失禁の場合は
他の病気が関係していることが多いので、該当する病気の治療を受ける一環として尿失禁
の指導を受けるようにして下さい。

骨盤底筋群の強化運動はいろいろなものが紹介されていますので、自分に合ったもので問
題ないと思いますが、ここではもっともシンプルな基本的な方法を紹介しておきます。
腹部に力が入らないように注意して、肛門・膣・尿道をゆっくり締めて、ゆっくりゆるめ
るを繰り返します。1日に10分程度繰り返すだけの単純なトレーニングですが、これだ
けでも十分効果があるのです。そして、肥満や便秘の解消、軽い運動なども追加できれば
更にプラス効果が期待できます。
そして、基本的なことですが、近年は「水をたくさん飲むことが良いこと」という傾向に
あって、水分の過剰摂取が頻尿の原因になっていることも少なくありません。水分の摂取
量は、体重の2%ぐらいが目安と言われています。体重45kgなら1000ccという
のを一応の基本にして下さい。
過活動膀胱と思われる場合は、医療機関を受診するのが一番ですが、特に頻尿だけでなく
切迫性尿失禁がある場合は「重度の過活動膀胱」であることが多いので、できるだけ早く
受診して治療を受けるようにして下さい。
する効果があるとされる漢方処方の市販薬を試してみると良いかも知れません。