1.耳鳴りと自律神経
耳鳴りの原因が自律神経の乱れに関係していると考える人は少なく、結果、原因不明の耳
鳴りということになります。自律神経とは、心臓や血管の動き、体温調節、呼吸、消化器
官の働きなど、自分の意思と関係ないところで生命維持に欠くことのできない機能を管理
する働きをしています。

この辺のところは、おおむね多くの人が知るところですが、疲労やストレスが溜まること
で、交感神経(緊張モード)と副交感神経(リラックスモード)のバランスが崩れ、気温
の変化や体温の調整、血流のコントロールなどにうまく対応出来なくなり、体調が悪くな
ります。このような状態になることを「自律神経失調症」と言います。
自律神経の乱れで、交感神経が優位に働くと、緊張状態になり血管が収縮します。そのよ
うな状態が長く続くと、血行が悪くなり、組織に血液が十分行き渡らなくなります。する
と、さまざまな身体的な不調が現れることになりますが、耳周辺の血行が悪くなると耳鳴
りが起こりやすいということになるのです。
もちろん、中耳炎や外耳炎、耳垢塞栓、鼓膜破損、感音性難聴など、耳の疾患が原因の耳
鳴りもありますが、こちらはすぐに原因が特定されて、そのための治療も可能ですが、加
齢や自律神経失調症による耳鳴りは原因が特定できないところが問題になります。逆に考
えれば、原因の特定できない耳鳴りは、加齢か自律神経失調症に起因する場合が多いとい
うことになります。
加齢による耳鳴りは、耳から入った音は内耳の有毛細胞によって電気信号に変えられて脳
に伝えられますが、加齢によりこの有毛細胞が減ってしまってすべてが伝わらなくなると、
脳はその失われた電気信号を取り戻そうとして過敏になることで耳鳴りが起こるのです。
2.自律神経の整え方
自分では見ることも触ることもできない自律神経を整えるって、何か難しいような気がし
ますが、実はそれほど難しいことではありません。つまり、普通に健康的な生活をするこ
とを心がけるだけなのです。実際、病院で自律神経失調症と診断された人は、特に治療を
受ける訳でもなく、精神安定剤のようなものを処方されて、生活習慣の悪いところを指摘
される程度になります。つまり、セルフケアで十分対応できるのです。

基本的には、規則正しい生活、ストレスの解消、十分な睡眠、適度な運動ということで、
もう誰でも知っていることだと思いますので、あとは本人の取り組み方次第です。
具体的には、寝る時間を決めて(起床時間から逆算して6~7時間前)、決まった時間に
起きるようにします。起きたら窓のカーテンを開けて日光を浴びるようにします。これは
自律神経を整える働きのある「セロトニン」を活性化させるための方法です。
次に、最低限、朝食は摂ることです。栄養バランスなどいろいろ注文はありますが、それ
より朝食を摂る習慣をつけることです。やがて、インスタント食品やレトルトフードでは
なく、自分で必要な栄養まで考えた食事になればОKです。
ウォーキングやストレッチなど、手軽にできる運動を始めましょう。軽い運動だけでも血
流が良くなり、ストレスの解消も期待できるので、耳鳴りの症状も改善できる可能性もあ
ると言われています。
定評のある漢方薬などは試してみる価値は十分にあると思います。