1.寒さと体の不調の関係
秋風が吹き始める頃になると、暑いときには何も感じなかったところに痛みを感じるとい
う人が多くなります。痛む場所も痛みの種類もさまざまですが、もっとも多いのが「節々
が痛む」とか「神経痛のようなしびれ」を感じるといったものです。
その原因は血流が悪くなるためです。血流が悪くなると、必要な栄養や酸素が届きにくく
なり、体に溜まった老廃物の排出が少なくなります。すると筋肉がどんどん硬くなること
で、さらに血流が悪くなります。やがて組織が酸欠状態になり、ブラジキニンやヒスタミ
ンなどの発痛物質が放出されるようになります。これが神経を刺激することで、痛い・だ
るいといった不快な症状を引き起こすことになります。

また、発痛物質は交感神経を緊張させることになりますので、血管が収縮してさらに血流
が悪くなるといった状態になりますし、末梢血管が収縮すると、痛覚や触覚が敏感になり
ますので、より痛みを感じやすくなるのです。
血液の循環がスムーズであれば、酸素や栄養が全身に届き、老廃物も回収され、体温が保
たれ、免疫機能も上がります。つまり、心も体も問題なく快適な生活ができるのです。
しかし、その血流がスムーズであるかどうかを、どう判断すればよいのかが難しいところ
ですよね。しかし、日常生活で現れやすい血流悪化の症状としては、眠りが浅く、朝の体
の目覚めが遅い、疲れが抜けない、肩や腰が重く感じる、寒くないのに手足が冷える、と
いった誰もが普通に感じているようなことが「血の流れが悪くなっているサイン」と言え
るかも知れません。
2.血流悪化の予防と改善
血流を改善する方法としては、食事内容の見直しや服装、運動不足解消といったことに注
目されることが多いですが、今回は、それよりも直接的に血流を改善する方法について書
いてみたいと思います。
まず、血行不良に深くかかわっている筋肉はと言うと、股関節屈筋群です。特に、大腰筋、
腸骨筋。恥骨筋、大内転筋が硬くなると、血管や神経が圧迫されて血流が悪くなります。
長時間のデスクワークをしている人や日常生活での悪い姿勢が、お尻や太もも、腰、背中、
首・肩などを慢性的に緊張させていることで股関節屈筋群が硬くなり、血行不良を引き起
こしているケースが非常に多いと言われています。
硬くなった股関節屈筋群はどのようにアプローチすれば良いのかということですが、まず
は、普段あまり使われていないと思われる筋肉を普通に動かすようにしてみましょう。決
して無理な運動をするということではなく、普通に動かすという習慣をつけることです。

例えば、日常生活では「礼儀正しくおじぎをする」ことを習慣化するだけでも、その趣旨
に適っていますし、毎日「スクワット」などで下半身の運動をする、風呂上りに「足の裏
をマッサージする」といったことを続けることから始めてみましょう。よく眠れるように
なった、体がポカポカするようになった、といったことが実感されれば、概ね正しく血流
改善に向かっているということになります。
股関節屈筋群に直接アプローチすることは難しくても、日常的にあまり使われていない筋
肉を、少しずつでも本来の働きをしている状態に近付けることで、自然と全身の筋肉も正
しい目的に合った動き方をするようになり、結果として血流も自然に整ってくるのです。
