1.原因不明の皮膚のかゆみ
特に原因となるような症状が見当たらないのに、皮膚に強いかゆみを感じることがありま
す。中高年者で、見た目の異常がないのに皮膚のかゆみが長く続く場合は皮膚掻痒症かも
知れません。かゆみの症状は数週間から数か月にわたり、入浴後や睡眠時にかゆみが強く
なる傾向にあります。
原因と考えられているのは、加齢による皮膚のバリア機能の低下、糖尿病などの内科的な
病気、精神的な不安やストレスなど多岐にわたりますが、体温の変化や乾燥がきっかけで
かゆみが強くなることが多いようです。

また、ホルモン剤や利尿剤などの薬品も原因になることがあります。高齢の人は皮膚のバ
リア機能が低下している上に、多くの薬剤を服用していることが多いため、そのあたりも
原因の1つとして考慮する必要があります。
皮膚掻痒症の人に多いケースは、かゆみに耐えきれず皮膚を掻いてしまい、さらに悪化さ
せてしまうことです。皮膚を掻くと痛みやかゆみをやわらげる物質が発生して、一時的に
かゆみが治まりますが、かゆみや痛み、炎症反応に関与するヒスタミンが分泌されて、知
覚神経に作用することでかゆみを感じるようになり、結果的には、さらにかゆみが悪化し
てしまうようになります。そして、皮膚掻痒症はこのヒスタミンの影響が強くなることが
主な原因と見られています。
つまり、皮膚掻痒症は、できるだけ皮膚を掻かないようにすることが一番の対策なのです
が、なかなか激しいかゆみに耐えきれる人は少ないようです。
2.かゆみの慢性化予防対策
皮膚科へ行くと、皮膚掻痒症の治療では、かゆみを抑える働きがあるとされる「抗ヒスタ
ミン剤」を服用することになります。そして、内臓疾患や常用する薬などがない場合のか
ゆみの原因のほとんどは、肌が乾燥した状態が続く乾燥肌(ドライスキン)です。
市販されている保湿剤(ローション・クリームなど)を試してみましょう。「クロタミト
ン」や「ジフェンヒドラミン」含有の塗り薬は、かゆみを抑える対症療法として使用され
ています。掻きすぎて、すでに湿疹などができているような場合はステロイド系の塗り薬
を使用することになります。
日頃の予防法としては、皮膚を清潔に保ち保湿する習慣をつけることです。皮膚掻痒症は
何度も再発しますので、一度治っても油断しないでスキンケアを継続することが大切です。
皮膚がかゆいときは、掻くのではなく、冷やすなどして対応するようにして下さい。

また、生活習慣を見直してみることで症状が改善することもあります。食生活や睡眠、ス
トレスの解消方法などを考え直してみましょう。高齢者で多くの薬を服用している人は、
一度かかりつけの医師と相談して、あまり重要ではないと思われる薬は減らしてもらうよ
うにしましょう。
入浴は皮膚ケアの重要な要素ですが、熱すぎる湯温は皮膚の保湿因子を洗い流してしまう
ことになり、かゆみが生じる原因になりますので、38~40℃の湯温で15分程度浸か
るようにしましょう。石鹸はできれば弱酸性の敏感肌用のものを使い、しっかりと洗い流
すようにすることが大切です。
食事では、過度に辛い食べ物、アルコール、過度に熱い食べ物などは避けるようにするこ
と、血行促進・ストレス解消効果のあるウォーキングなどの軽い運動もおすすめです。
皮膚科へ行けば、症状は一応の改善を見ますが、根本的なところが改善されていなければ
再発の可能性がかなり高くなりますので、ぜひ保湿を中心にセルフケアを継続するように
して下さい。