1.高齢者が後ろに転ぶ原因
高齢になると転びやすくなるということは何となく理解できると思いますが、意外に知ら
れていないのがその転ぶ方向です。例えば、高齢者転倒と検索した場合「頭を打つ」とい
ったサジェスチョンが目につきます。これは、高齢者は尻もちをつくような、後ろ向きに
転ぶことが多いという意味でもあるのです。

なんだそんなことかと思われるかも知れませんが、高齢者(65歳以上)の転倒による死
亡者は年間約9万人と言われています。これは、交通事故死の3倍にもなるのです。
転倒の原因は加齢による筋肉や骨密度の低下、薬の影響、バランス感覚の衰え、などいろ
いろありますが、後ろに転ぶ原因はというと、どことなくスッキリしませんよね。実は、
高齢者が後ろ向きに転ぶ原因はその姿勢にあります。
高齢になると、猫背になる人が多くなります。つまり、前傾姿勢になると重心はうしろに
行くのです。少しぐらいの前傾姿勢なら、それほど大きく違いませんが、極端に前かがみ
になって歩くと、重心はほとんど踵の方にあることが分かります。このような状態では、
ちょっと前からつつかれただけでも、後ろに転倒してしまいます。これが高齢者が後ろに
転びやすい理由なのです。
若いうちは体が前傾になっていても、前に倒れないように足の指で支えることができてい
ますが、高齢になると重心が踵寄りになることで支えようとします。これは自然の法則で
すが、若い頃からすでに踵重心で歩いている人は、高齢になると、かなりの確率で後ろに
転ぶ可能性があるということを自覚しておきましょう。
2.転倒リスクを予防するには
テーマが高齢者が後ろに転ぶ原因ということで、後ろに転ぶことを中心に書いてきました
が、高齢者が転ぶ(つまづく)原因には「すり足」もあります。足が上に上がらず、小さ
な歩幅でするような歩き方です。これは足の指が使えていない状態での歩き方です。
歩行時に足を上げる動作は、足の指で下に蹴り上げるようにして行っています。しかし、
そのことを知っている人は少数で、ほとんどの人は足の指の重要性に気付いていません。
つまり、放置されたままで生活している人が多いのです。特に運動経験もなく、そのまま
高齢になったときに、転倒しやすい歩き方になってしまうということです。

予防法としては、まずは猫背を改めるようにすることで、加齢による体の前傾をできるだ
け少なくなるように努めましょう。そして、足指の運動(グーパー運動やタオルギャザー
など)をするようにします。タオルギャザーとは、床にタオルを敷き、足指でタオルを掴
んで引き寄せる運動です。あとは、つま先立ちなども取り入れれば、足指を鍛えることも
できます。いつから始めるという問題ではなく、気付いたその日から(できるだけ若いう
ちから)始めるのが効果的です。
すでに、最近つまづきやすくなった、膝が痛い、足の裏が痛い、股関節が痛い、坐骨神経
痛がある、といった症状が見られる人は、すでに転倒リスクが高くなっていると考えて、
しっかりと対策をするようにしましょう。
化も考えても良いかも知れません。姿勢を良くするだけではなく、足指の矯正、全身の筋
肉バランスを整える作用があるという足指パッドなどもあります。