1.不定愁訴の症状とは
不定愁訴とは、検査をしても医学的な原因が見つからず、説明がつかない身体的な症状や
精神的な症状のことを言います。代表的な症状としては、何となく体調が悪い、疲れがと
れない、よく眠れない、など抽象的なものが多いですが、なかには頭痛やめまい、動悸・
耳鳴り・体重の増減など具体的な不調を訴えるケースもあります。

不定愁訴の原因は、医学的には明らかな原因となる病気は存在しないものの、心身のスト
レスや不規則な生活習慣、運動不足、ホルモンバランスの乱れなどが原因となって生じる
ことが多い症状と言われています。特にホルモンバランスの乱れは男性より女性に多い傾
向があるため、40代頃までの女性に多く見られる症状でもあるようです。
もちろん、不定愁訴は女性限定という訳ではなく、年齢・性別を問わず誰にでも見られる
症状ですが、近年はデスクワークの作業内容や空調設備の普及などで、肩こり、冷え、運
動不足などによる不定愁訴の悩みも増えています。
また、不定愁訴=自律神経の乱れと言われるほど、不定愁訴の症状は自律神経の働きと深
い関係にあります。自律神経は、内臓の働きや血流・消化・体温調整など、生命の維持に
直接かかわる機能の調整をしています。ストレスやホルモンバランスの乱れなどの影響を
受けることで、その調整機能に乱れが生じることで不定愁訴の症状を引き起こすことが多
いということなのです。
ただし、たまに不定愁訴によく似た症状が見られる病気もありますので、何となく(気の
せい)的なものより少し具体性のある症状があるような場合は、とりあえず医師の診断を
受けることも大切です。甲状腺機能亢進症・甲状腺機能低下症・脳腫瘍・白血病・ガン・
子宮筋腫・子宮内膜症などの病気が原因になっている可能性もない訳ではありません。
2.不定愁訴の対処方法
不定愁訴とは、心身の機能が限界に近付いているというサインでもあります。なので、病
院で検査を受けてもどこも悪くないからと安心するのではなく、まずはその心身の状態を
正常に戻すことを考える必要があります。
心身の疲労、体の冷え、睡眠不足、食生活の乱れ、栄養不足、運動不足、ストレスの蓄積
など、何か思い当たるところがないかを振り返りながら、まずは日頃の生活習慣を健康的
なものに変えてみることです。

特に、不規則な食事、睡眠不足、運動不足、リラックスタイムがない、などは不定愁訴と
大きく関係していますので、この辺に問題があると思われる人は、最初に改善すべきとこ
ろになります。実は、それが不定愁訴の改善法であり、予防法でもあるのです。病院へ行
っても、不定愁訴の場合は症状に応じた対症療法が基本ですので、セルフケアも大差あり
ません。ただし、倦怠感や疲労感が継続してある場合、急な体調変化がある場合、急な体
重減少がある場合、強い症状がある場合は、できるだけ早く病院へ行くようにしましょう。
最初に受診するのは、一番つらい症状があるところです。動悸・息切れなどが強いなら循
環器内科、腹痛や消化器の場合は消化器内科、女性特有の症状の場合は婦人科、男性の更
年期的な症状の場合は内科・心療内科、メンタル系の症状は心療内科・精神科になります。
漢方薬は「加味逍遙散」、血行不良による症状には「桂枝茯苓丸」がよく知られています。