1.乾燥と病気の関係
風邪やインフルエンザの予防には、加湿が効果的ということはよく知られています。それ
は、湿度はウイルスの生存率と大きく関係しているからです。咳などの飛沫は乾燥した空
気(湿度25%程度)では、6時間後のウイルス生存率が70%近いとされていますが、
湿度が50%まで上がると、その生存率は5%以下になるとも言われています。

ウイルスとは直径 0.1マイクロメートル(1メートルの100万分の1)の大きさで、
電子顕微鏡でなければ見ることはできません。単独では長時間生存できず、空気中で増殖
することもできないため、他の生物の細胞に入り、細胞内のタンパク質などを利用して、
自分のコピーを作ることで増えて行きます。そのようにして増えたウイルスは、咳やくし
ゃみとともに飛沫として空中に飛散して、また別の生物の細胞に入り込むことで感染が広
がって行きます。つまり、この空気中で生存している時間が、空気中の温度と湿度によっ
て大きく違ってくるのです。
もちろん、私たちの体にもウイルスの侵入を防ぐ仕組みが備わっています。喉の粘膜にあ
る「線毛」が波のような運動を繰り返し、鼻や口から侵入してきたウイルスをとらえて体
外へ送り出すことで侵入を防いでいます。
しかし、この線毛運動も水分と関係しており、低温・低湿度の環境では、その機能も低下
してしまいます。さらに、隠れ脱水と言われるように、冬場は汗はかかないものの、皮膚
や呼気から水分が蒸発していても、あまり水分補給をしないため、気付かないうちに脱水
状態になっていることが多いのです。そして、このような条件が重なる冬には、インフル
エンザを代表とするさまざまな感染症が流行しやすいということになります。
2.有効な感染症対策
感染症対策と言えばワクチンと考える人が多いですが、それよりも自身を低温・低湿度の
環境下に置かないということの方がはるかに効果的な予防法になります。もちろん、加湿
器を持ち歩くといったことは無理ですが、それ以外の方法でも同じような効果が期待でき
る場合があります。

もっとも簡単な方法は、近年のコロナ感染症でも活躍した「マスク」です。マスクは飛沫
対策と考えている人が多いですが、正直なところ、その効果はほとんどありません。マス
クの目はウイルスよりはるかに大きく、開けっ放した窓を蚊が通過するようなものです。
むしろ、私たちの喉の粘膜の温度と湿度を上げて、自己防衛力を強化する上でマスクは大
きな意味があるのです。
また、外出から帰宅したら、手洗い・うがいも感染症予防に効果があると言われています
が、もう1つ「水分補給」も加えておきましょう。
それでもウイルスに感染したら、あとは自己免疫との闘いになります。免疫の強化には、
十分な睡眠や休息、バランスの良い食事、ストレスの軽減、軽い運動習慣などが役に立ち
ます。もっと具体的に言うと、腸内環境を整えるような食生活、血流が良くなる(汗ばむ
程度)の運動を基本に生活することです。
ウイルスの付着を防ぐウイルス対策スプレーを使ってみると良いかも知れません。