1.動脈硬化と危険な症状
動脈硬化とは、動脈の血管の内側に堆積物がたまり血管が狭くなっ
たり、劣化してもろくなったりする状態のことを言います。
血管がこのような状態になると、心筋梗塞や脳梗塞といった生命に
もかかわるような病気を引き起こすリスクが高くなります。
実際、現在の日本人の死亡原因の1位がガン、2位が心疾患、3位
が脳血管疾患と上位の2つが動脈硬化が原因であることが多い病気
ということになります。しかも、これらの病気は自覚症状もなく、
ある日突然起こり、そこで初めて動脈硬化に気が付くというケース
がとても多いと言われています。
動脈硬化が加齢とともに進行するのは、ある意味、仕方ないことで
はありますが、必要以上に進行させる因子というものも存在します。
それが、近年話題になることが多い「脂質異常」「高血圧」「糖尿
病」などの生活習慣病や喫煙習慣、運動不足、ストレスといったよ
うな誰にでも、普通に起こり得ることが原因であるだけに無視でき
ないということになります。
しかし、その中でも、動脈硬化の原因として最も気を付けなければ
ならないのが「脂質異常症」で、いわゆる悪玉コレステロールと善
玉コレステロールという表現で知名度の高い病気です。
これは、血液中の脂質のことで、悪玉(LDL)コレステロールや
中性脂肪が多すぎたり、善玉(HDL)コレステロールが少ない状
態のことを言っているのですが、LDLが高すぎたり、HDLが低
すぎたりしてバランスが崩れてしまったときが最もリスクが大きく
なりますので、最低でも LDL<120mg/dl 、HDL>40mg/dl
以内であることを確認しておく必要性があります。
2.動脈硬化かもしれない症状
中高年と言われる年代になると、歩いていると、ふくらはぎや足の
先が痛んだり、しびれたりするというようなことを聞きますが、こ
のような症状も、他に特に原因が見当たらない場合は動脈硬化を疑
ってみる必要があります。
また、めまいは、一般的には内耳の異常が原因であることが多いの
ですが、そうでない場合は高血圧や動脈硬化が原因であることも少
なくありません。この場合は、それ自体が脳出血や脳梗塞の前触れ
であることも十分考えられますので、放置するようなことは避けな
ければなりません。
また、そこまではいかなくても、温厚な性格の人が最近急に短気に
なったとか、表情が変わったとかいう場合も、脳の血流が悪くなっ
ている可能性が高いと考えられます。
更に、すでに障害として視力が低下したり、視野の一部が欠けると
いったような症状は網膜の静脈の流れが悪くなったり、詰まったり
していることも考えられますので、すぐにも眼科で検査を受けなけ
ればなりません。
動脈硬化も老化現象の1つである以上、加齢とともに進行すること
は致し方ないにしても、必要以上に進行させないようにすることが
重病から身を守る最善の方法です。
その方法は、バランスのとれた食事や運動といった生活習慣の改善
が中心ですが、ある程度の年齢になると、医薬品などの助けを借り
て、高コレステロール血症の改善や動脈硬化症の予防に努めること
も無理のない方法としておすすめできます。
動脈硬化症の予防に効果的なのは、日本の伝統食「納豆」ですが、
その納豆キナーゼだけをサプリメントにしたものがありますので、
納豆が苦手な人でも簡単に摂取できます。