便秘と消化酵素の関係
便秘改善と言えば、食事を見直すとか運動をするとか、いろいろな改善方法が紹介されて
いますが、その栄養素を吸収したり、老廃物を排出したりする根本的なところで働いてい
るのが「酵素」なんですね。
人間の体内に存在する酵素の数は５０００種類とも言われていますが、これは「１つの酵
素は１つの働きしかできない」という特性があるからです。例えば、同じ食事で摂取した
成分でも「でんぷん」を分解するのはアミラーゼ、「タンパク質」を分解するのはプロテ
アーゼといった具合に、それぞれの酵素が担当できるのは１つだけなのです。
とは言っても、その特性により大きく分別すると「代謝酵素」「消化酵素」「食物酵素」
の３つに分けることができます。
簡単に説明しますと、代謝酵素とは私たちの体内に備わっている酵素で、吸収された栄養
を体中の細胞に届けて細胞を活性化し、細胞の新陳代謝を促進します。この働きにより、
有害物質を排出したり、自然治癒力を高めたり、免疫力を高めることになります。
つまり、栄養素が消化吸収された後の生命活動全般に関わっている酵素群です。
消化酵素とは、これももともと体内に備わっている酵素で、毎日の食事で摂取された食べ
物を消化分解して、小腸で吸収して、代謝酵素にバトンタッチするまでの働きを担当する
酵素群です。
食物酵素とは、食品に含まれる酵素で、毎日の食事で取り入れる酵素です。主な働きは消
化酵素のサポートで、いくら摂取しても体内酵素を増やすことにはなりませんが、これに
より体内酵素の配分が代謝酵素に多く振り分けられますので、結果的には酵素全般の働き
をサポートすることになります。
ここまでの意味が解る人は、たぶん便秘で悩むことも少ないと思いますが、更に説明しま
すと、体内酵素が優先されるのは「エネルギー生成」「生命活動」のための代謝酵素にな
ります。なので、体内酵素が不足すると消化酵素の量が影響を受けることになるのです。
つまり、消化吸収がうまくできなくなり、体内に老廃物が多く溜まることになります。す
ると、よくご存知のように「腸内の悪玉菌が増え、腸内環境が乱れる」ことになります。
酵素がすべてという訳でもありませんが、腸内環境が乱れ、便秘や下痢の原因になる大き
な要因であることに違いはありません。
効果的な酵素の摂取法
酵素が多く含まれている食品は、野菜や果物、発酵食品です。しかし、酵素は熱に弱いた
め「生（なま）」で食べる必要があります。しかも胃で分解されてしまうため、体内の酵
素を増やすことはできません。
しかし、食べ物を消化吸収する働きを助けることは期待できますので、結果的に体内酵素
を有効に活用できることにつながります。
ところで、体内にある酵素は生涯同じかというと、その量は遺伝子に組み込まれているた
め個人差はありますが、体内で酵素を作り出すピークは１５歳頃と言われています。
つまり、２０歳を迎えるころには、すでに衰退傾向にあり、５０歳頃には半減すると言わ
れています。そのため加齢とともに酵素が不足し始めることで、さまざまな影響が出てく
ることになります。
外見的には「白髪増える」「髪が薄くなる」「シミやシワが増える」といったところに現
れ、内面的には「視力の低下」「骨がもろくなる」「胃腸の具合が悪い」「便秘がち」と
いったことが起きやすくなるのです。
このようなサインが出始めたら、自分の酵素が減っていると考え、積極的な対策が必要に
なります。まず最初に始めるのは「体内酵素の無駄遣いを控える」ということです。
その方法は、腹八分目の食事を心掛け、ダラダラとおやつなどを食べ続けず、食物酵素を
多く含む食品を生で食べるようにすることです。また、すでに慢性的に便秘が続いている
ようなら酵素を補い便秘対策も考慮されたサプリメントなどの活用もおすすめです。
