過敏性腸症候群という病気
若い女性や働き盛りの人に急増しているという原因不明の腹部が不快な症状で、
病院で検査しても胃腸には特に異常が見つからないという困った病気です。
腹部の不快な症状と言えば「便秘」「下痢」のどちらかだと思いますが、実は
「過敏性腸症候群」という病気は、下痢が続いたり、便秘が続いたり、下痢と
便秘が繰り返したりと、まさしく腹部に不快な症状のフルコースなんですね。
この病気の主な症状は、便秘や下痢が長く続く以外に、便秘と下痢が交互に繰
り返す、残便感、腹痛、腹部膨満感、おなら・ゲップがよく出る、腹部がゴロ
ゴロ鳴る、食欲不振、吐き気や嘔吐などがあり、排便があると腹痛や腹部の不
快感が和らぐというものですが、最初のうちは普通の便秘や下痢かなと思って
いても、不快な症状がいつまでも続く場合は過敏性腸症候群を疑ってみる必要
があります。
ところで、病院の検査でも異常が見あたらないのに病気というその原因は何な
のかというと、実はその原因もまだハッキリと解明されていないのです。
しかし、このように原因が特定できず、しかも確実に症状を伴う病気の最大の
原因は「ストレス」と言われているんですね。
つまり、身体的・精神的にストレスを受けることにより、自律神経のバランス
が崩れ、それが腸の知覚過敏を引き起こし、腹痛や便意の異常症状を引き起こ
すと言われているんです。
なので、過敏性腸症候群は、会議中、面接中、テスト中、登校・出社中など、
ストレスを感じやすかったり、緊張感の持続が必要な場面で、真面目な人、内
向的で気が弱い人などに症状が出やすいとされています。
２０歳代の真面目な内向的な若い女性や、働き盛りのビジネスマンなどで、腹
部に不快な症状が続いていて便秘薬や下痢止めでも改善しない人は、過敏性腸
症候群を疑ってみましょう。
過敏性腸症候群の対処方法
過敏性腸症候群を改善する方法としては、生活習慣の改善、心理療法、食事療
法、薬物療法がありますが、この中でも「生活習慣の改善」と「心理的療法」
が最も有効な治療法ということになります。
療法と言っても、特別難しいことをする訳ではなく、十分な睡眠をとる、しっ
かり休息をとる、バランスの良い食事をとる、適度な運動を行う、ストレス解
消につながる趣味などをもって気分転換をはかる、心が休まる時間や空間をも
つ、といったようなことです。
食事療法というのは、過敏性腸症候群には３つのパターンがありますので、そ
のパターンに合わせて食事を考えるということです。
便秘の症状が出る人は、脂肪性の食品、アルコール、炭酸飲料など腸を刺激す
る食品は避け、食物繊維やビタミンＢ群、ビタミンＣを多く含む食品を摂るこ
とです。
下痢の症状が出る人は、香辛料、冷たい飲み物など、腸を刺激する食品を避け、
一般的に消化に悪いとされる食品も避けることです。
便秘と下痢の症状が交互に出る人は、便秘・下痢の基準で、その時の症状に合
わせるということになります。
また何よりストレスの解消が大切ですので、運動や趣味に興味を持ち積極的に
ストレス解消法を見つけることです。
そして、薬物療法というのは、主にメンタルサプリのようなもので、西洋医学
では原因のわからない症状には往々にしてこのようなものが処方されています。
過敏性腸症候群とは関係なくポジティブな精神状態を持ちたいと思う人にも人
気があるようです。