1.加齢性難聴とは
年齢を重ねることで、少しずつ聴力の低下が進行する状態のことを加齢性難聴と言います。
簡単に言うと、老化現象の1つですが、その始まりは40歳ごろとも言われていますので
意外に早い時期から聴力の低下は始まっていることになります。
ただ、実際に聞こえにくいと感じるのは65歳を越えたころからという人が多いようで、
75歳以上になると、半数以上の人に何らかの兆候が現れてくると言われています。

加齢性難聴の特徴は、まずは「高音」が聞き取りにくくなることで、子供や若い女性の声
などが聞き取りにくくなるようですが、その症状も少しずつ進行して行くため、本人は自
覚していないことが多いと言われています。しかし、周囲の人は、話す声が大きくなった
とか、テレビの音量を上げ過ぎるといったことに年齢を考えれば、漠然と理解しているこ
とか少なくないようです。
加齢性難聴の初期症状としては、高音が聞き取りにくくなること、相手の話に何度も聞き
返すことが多くなること、電話の音声がこもって聞こえること、話の内容を誤解すること
が多くなることなどが、典型的な加齢性難聴の初期症状とされています。
比較的若い年代では、加齢性難聴を認めたくないという人もいるようですが、老化現象の
1つである以上、いずれ誰でも同じ経過をたどるようになりますので、きっぱりと認めて、
早いうちから周囲の人の理解と強力を得ることも賢明な生き方ではないかと思います。
2.加齢性難聴の対策
加齢性難聴の原因は、内耳にある有毛細胞(ゆうもうさいぼう)が減少することです。内
耳は鼓膜のある中耳より奥にありますので、ほとんど見る機会はないと思いますが、蝸牛
・前庭・三半規管で構成されていて、蝸牛の中に音を感じる有毛細胞がたくさん存在して
いるのです。年齢を重ねるごとに、その有毛細胞が減って行くことが主な原因ですが、そ
れ以外にも騒音環境下での仕事や生活、特定の薬品の長期服用、生活習慣病(高血圧・糖
尿病など)が聴覚を老化させる要因として、加齢性難聴を加速させるとも言われています。

加齢性難聴は、現代の医学では完治が難しいとされていますので、補聴器などを使って生
活の質の向上を目指すの一般的な方法になります。ただ、補聴器にもいろいろな種類があ
り、慣れるまでに時間がかかりますので、加齢性難聴を自覚したら、早目に補聴器のトレ
ーニングなどを始めておくと良いかも知れません。
また、加齢性難聴を完全に予防することはできませんが、適切に対策をすることで、進行
を遅らせたり、日常生活への影響を最小限に抑える可能性も期待できます。まずは生活習
慣をしっかり管理して、生活習慣病に注意するようにしましょう。次に、騒音環境を避け
て耳への負担を減らすようにします。必要なら、耳栓や防音効果のあるヘッドホンなども
活用しましょう。
老人性難聴は、単に耳が聞こえにくくなるだけではなく、認知症リスクを高める要因の1
つとも言われていますので、老人性難聴になっても聴力維持のための生活を模索してい
くことは重要なポイントになります。
