1.不安障害とその症状
不安とは、人間に本来そなわっている感情の1つで、不安を感じることで危険を回避した
り、危機に備えたりすることを可能にしている自然な反応です。ただ、その不安や恐怖心
が、他の人より強すぎて、日常生活や仕事に悪い影響を与えるようであれば、それは不安
障害ということになります。
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不安障害には、パニック障害、全般性不安障害、社会不安障害、強迫性障害など、さまざ
まなものが含まれていますが、その原因はまだ解明されていません。ただ、本人の精神的
な気質や過去の人間関係の破綻、強い苦痛を受けたときの体験など、さまざまな因子が複
雑に絡みあって発症すると考えられています。
症状としては、過剰な不安を感じ、それを払拭できず持続することで、その不安にかかわ
る対象や状況を回避してしまうことになり、仕事や人間関係に支障が生じてしまうことが
問題になります。なので、不安障害の治療の基本は、不安障害を無くすというより、日常
生活に支障が起きるような症状を緩和して、普通の生活ができるようにすることをめざす
ことになります。
同じような症状で、生死にかかわるような出来事を経験した後に、心身の不調が現れる(
トラウマとも呼ばれます)ようになった場合は、不安障害ではなく、PTSD(心的外傷
後ストレス障害)として区別されることがあります。PTSDと不安障害では治療方法に
違いがあるためですが、気になる場合は専門医の診断を受けてみて下さい。
2.不安障害の緩和方法
不安障害の代表的な症状には、パニック障害(突然激しい不安に襲われ、動悸・めまい・
息苦しさなどのパニック発作を繰り返す状態)、社会不安障害(人前で恥ずかしい思いを
したりすることが怖くなり、人前に出ることに強い苦痛を感じる状態)、全般性不安障害
(さまざまなことに過度な不安や緊張を感じてしまう状態で、不安のない日より、不安を
感じている日が多くなります)、強迫性障害(本人の意思とは関係なく、特定の行為を繰
り返してやめられない状態、手洗いを繰り返す・物をためこむ・4や9の数字を避ける・
戸締りを何度も確認するなど)があります。もちろん、人それぞれこだわる点が異なりま
すので、症状や行動の現れ方にも違いがあります。
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不安障害の症状は、突然あらわれることが多いと言われていますので、自分なりに症状の
前兆や対処の仕方を習得しておくと役に立ちます。一般的な対策としては、「休息をとる
(規則正しい生活を心がける)」「リラックスの仕方を覚える(気分転換をする)」「不
安の原因を考える(不安や悩みを書き出して客観的に判断する)」などですが、よくわか
らないときは、精神科や心療内科を受診してみるのも1つの方法です。
れすら薬の副作用を心配することになったりもします。私は、それほど深刻な状態でない
なら、不安を解消する方法という本をマンガでサラッとと読んでみることをおすすめしま
す。絶対的なものを期待するというより、心が軽くなるヒントがいろいろありますので、
どこかに反応することができれば、十分意味があると思います。