1.てんかん発作の前兆
てんかんとは、脳の神経細胞に突然発生する興奮により起きる発作症状を特徴とする慢性
の脳の病気です。発作症状の現れ方はさまざまですが、激しい痙攣が起きたり、意識がな
くなって動かなくなるといった症状がよく知られています。また、てんかんは、年齢・性
別に関係なく見られる病気ですが、発病年齢は3歳以下に多く、成人になると減る傾向に
あります。

発作症状は、脳のどの部分に異常が起きるかによって全般発作と部分発作に分けられます。
脳の広い範囲に過剰な興奮が起きる場合が全般発作で、ほとんどのケースでは意識を失い
ます。その後は体が痙攣(強直間代発作)したり、全身の力が入らなくなる(脱力発作)
が見られます。
脳の一部に異常が起きる場合が部分発作で、症状は起きる場所によって異なりますが、片
側の手足がしびれたり、無意識にふらふらと歩き回ったり、光や色が見える、音が聞こえ
るといった症状があります。
てんかん発作は自分の意志に関係なく突然現れますが、何らかの前兆症状を感じる人もい
ると言われています。その症状も、同じ人には毎回同じ症状が見られることが多いという
ことから、その前兆そのものが部分発作の一部ではないかと考えられています。
前兆症状として知られているのが、手足が痺れる、手足が冷たい・熱い、手足が動かない
といった身体感覚症状、何もないのに光る点や、腺、円形などの形が見える視覚症状、実
際に存在しない機械音や人の話し声などが聞こえる聴覚症状などです。
他にも、めまい、硫黄臭・焦げ臭、苦味・甘味・酸味を感じる、内臓の異常感覚など、さ
まざまな症状が見られることもあります。
2.てんかん発作の対処
てんかん発作は、普通は突然意識を失ったり、体の自由がきかなくなったりするものなの
で、例え、何らかの前兆が見られたとしても、発作が起きるまでに十分な時間がある訳で
はありません。発作そのものが命にかかわるものではありませんが、起きる場所や時間に
よっては危険にさらされることも少なくありません。
自身で出来る対処法は、直前に何らかの前兆症状を感じたら、できるだけ早く、安全な場
所に移動して、発作が起きたときのリスクを少なくするように努めましょう。
痙攣発作は、だいたいが数分で治まり、15分くらいで意識も回復することが多いので、
てんかん発作に遭遇した周囲の人は、発作を起こしている人を安全な場所に移動させるな
どして、しばらく様子を見るということで問題ありません。

たまに、発作時に名前を呼んだり、体を抑えたり、揺さぶるなどの行為をする人がいます
が、てんかん発作の場合はそのような行為は意味がありません。同じように、舌をかまな
いようにとする配慮から、口に物を詰めようとする人もいますが、これもあまり意味がな
く、むしろ窒息する危険性があります。一般的には、頭部を横に向けるなどして嘔吐物の
誤嚥を防ぎ、あとは静かに見守るというのが、てんかん発作時の適切な対処法になります。
ただ、痙攣が5分以上続く場合や、繰り返し痙攣発作が起きるような場合は、救急車の手
配も必要になります。
てんかん発作は、何のきっかけもなく起こることも多いですが、特定の状況下で起きやす
いことも知られています。状況はそれぞれに違いますが、何度か発作を経験している人は、
どのような状況で発作が起きやすいかということを振り返って把握しておくと今後の発作
予防に役に立ちます。