1.アルツハイマー型認知症とは
認知症は誰にでも発症する可能性があり、高齢になるほど発症率が高くなります。認知症
とは病名ではなく、記憶や思考などの認知機能の持続的な低下の状態や症状の総称です。

高齢になると、地名や人の名前などが思い出せないことがよくありますが、これは加齢に
よる脳の老化が原因の「もの忘れ」で、記憶そのものがなくなってしまう「認知症」とは
違います。例えば、昔、見たことがある山の名前を思い出せないのは「もの忘れ」ですが、
山を見たこと自体が記憶にないのが「認知症」です。つまり、時間やヒントがあれば思い
出すことができるのがもの忘れで、本人も忘れているという自覚がありますが、認知症の
場合は、自分が忘れていることに気付いていない(ヒントがあっても思い出せない)状態
です。
他にも、もの忘れは進行することはありませんし、日常生活に支障がでることもありませ
んが、認知症は進行して行くと日常生活にも支障が出るようになっていくという違いがあ
ります。
認知症の種類はいくつかありますが、「アルツハイマー型認知症」「血管性認知症」「レ
ビー小体型認知症」を3大認知症と言います。なかでも、日本ではアルツハイマー型認知
症が全体の7割とも言われていて、認知症と言えばアルツハイマー型というほど知名度が
あります。
しかし、このアルツハイマー型認知症の原因はまだ解明されておらず、アミロイドβとい
うタンパク質が脳に蓄積することで、神経細胞が減少して、脳が萎縮するためではないか
と考えられています。症状としてはよく知られている、もの忘れ・妄想・幻覚などが徐々
に現れてくるようになります。
血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などにより、脳細胞が損傷して壊死した部分の機能が低
下することで起こります。症状は障害を受けた脳の部位により異なります。
レビー小体型認知症は、レビー小体と言われるタンパク質が蓄積されて、その場所の神経
細胞を損壊することで起こります。パーキンソン病のように手足が震えたりすることもあ
りますが、特徴的な症状に「幻視」、睡眠中の「異常言動(怒鳴る・奇声をあげるなど)」
があります。
2.認知症は日常生活で予防する
認知症は、現時点では回復するための治療法はありません。早期発見・早期対応により、
症状の進行を遅らせるための治療になります。このような病気では、できるだけ発症しな
いように予防するのが常道ですが、認知症の場合は、その予防法も確実なものが見つかっ
ていないのです。ただ、アルツハイマー型認知症は、生活習慣や環境による発症の違いが
わかってきていて、それを信じて発症を予防するような生活をすることが最善の方法とい
うことになります。

と言っても、特別なことをする訳ではなく、本来、体に良いとされているような生活スタ
イルに変えることです。食習慣や運動習慣、知的行動習慣(脳の活性化)、コミュニケー
ション、睡眠時間などを総合的に見直してみることです。また、余裕があれば、脳の栄養
素をサプリメント等で補給することもおすすめです。
原因が解明されていない認知症を予防するといっても、漠然とした域を抜け切れませんが、
それでも、基本的には健康的な生活をすることが認知症予防のポイントですので、決して
無駄なことをする訳ではありません。認知症予防をきっかけに健康的な生活をめざすとい
うのもアリかなと思います。
また、認知症も他の病気と同じく、早期発見・早期治療が効果的と言われていますので、
以下に認知症初期のサインを書いておきますので、気がついたら、精神科・心療内科・脳
神経内科/外科 などを受診することになりますが、かかりつけ医がいるなら、まずはそち
らで相談してみましょう。
認知症初期のサインとしては、服装や髪型に無頓着になる、同じ話を何度もする、お金の
計算や管理ができなくなる、炊事や家事での同時進行ができなくなる、親友の名前など忘
れる可能性の低いものを忘れる、といったことに気付いたら、それは認知症のサインかも
知れません。