認知症は加齢にともない進行する
今や認知症という言葉を知らない人はいないと思いますが、実はこれは病名ではなく、さ
まざまな原因疾患によって引き起こされる独特な症状や状態を表す言葉なんです。
つまり、後天的に脳に何らかの原因による障害が起こり、記憶などの認知機能が低下して
日常生活に支障をきたすような状態になっていることを意味しています。
なので、認知症とは、ある日、急に発症するのではなく、原因疾患が徐々に進行すること
で認知機能が低下していく状態で、その進行する最大の原因が「加齢」と言われています。
実際、75歳以上の高齢者では5人に1人の割合で認知症の症状が出ると言われています
ので、平均寿命が80歳を超えている日本人には、他人事では済まされないほど身近なも
のと考えておく必要があります。
ただ、認知症は「後天的な原因」ということなので、遺伝するかというと明確な根拠はあ
りませんので、現時点では遺伝的なものではないということになりますが、それは体質的
なことで、むしろ遺伝的な要因としては「食事の好み」や「社交性」などが係わる可能性
の方が大きいかも知れません。

ところで、認知症を心配する年齢になると「認知症」と「もの忘れ」を混同している人も
よく見かけますが、まずはその絶対的な違いを覚えておきましょう。
もの忘れとは「メガネをどこへ置いたのか忘れた」とか「テレビに登場するアナウンサー
の名前を忘れた」といったようなことで「メガネをどこかに置いた」とか「アナウンサー
の名前を忘れた」という自覚があり、ちょっとしたヒントがあれば思い出すことができる
ような状態です。
一方で、認知症の場合は「メガネをどこかへ置いたこと」や「アナウンサーそのもの」を
忘れてしまうため「忘れた」という自覚がない状態です。
言い換えれば、物忘れは「自身の体験したことの一部を忘れている状態(脳の老化)」で、
認知症は「自身の体験したことそのものが消えてしまっている状態(脳細胞の変性)」で
す。そのため、もの忘れは進行しませんが、認知症は進行することになります。
ただし、もの忘れが多くなったということは、やはり脳が老化しているということですの
で、そのことを自覚したときが認知症予防の始めどきということかも知れません。
認知症対策は生活習慣病とセットで
認知症の初期症状としては「同じ話を繰り返す」「同じものを何度も買ってくる」「料理
の味が毎回変わる」「口数が少なくなる」「趣味や興味が変化する」「突然怒りっぽくな
る」「身の回りが整理整頓されていない」「部屋に閉じこもっている」などがよく知られ
ているところですが、これは周囲の人が気付かなければ分かりません。
もちろん、そのような人が近くにいる場合は、医師の診断を受けるなどもできますが、1
人暮らしなどでは、症状がかなり進行するまで気が付かないということも多く、最善の方
法は「予防」することと言えます。

そして、認知症予防を取り入れた生活は、認知症になってもその進行がゆるやかになるケ
ースもあるということなので、生活習慣病対策を始める年代になれば、同時に認知症予防
も始めることが最も効果的かも知れません。
実際に、認知症で最も多いアルツハイマー型認知症では、糖尿病などとの関連も高く、生
活習慣病対策そのものが認知症予防の基本にもなります。
つまり、「偏食をせず、菓子類は控え、ビタミンやプラズマローゲンなどを摂り入れるよ
うな食生活」にし、認知症を減少させると言われている「週3回以上、30分以上の運動
を継続する」こと、そして「人と話すことで脳を刺激し、生活に刺激を与えること」が認
知症を予防する方法と言われていますので、生活習慣病プラス認知症予防はぜひセットで
行うようにしてみて下さい。