１．過敏性腸症候群の症状
腹部に痛みや張りなどの不快な症状があり、下痢や便秘を引き起こす病気のことを過敏性
腸症候群といいます。一般的に、検査をしても異常が見られず、原因も解明されていませ
んが、免疫異常やストレスなどが関わっているのではないかと考えられています。
症状としては、便通状態の現れ方により「下痢型」「便秘型」「混合型」の３つのタイプ
に分けられています。
下痢型は、緊張したりストレスを受けたりすることがきっかけで、激しい腹痛と便意が生
じ、下痢をするといった特徴のある症状です。電車に乗っているときなど、すぐにトイレ
に行けない状況にあるときに起こりやすいとされています。
便秘型は、普通に便秘という状態ですが、その便秘にともなって腹部の張りや不快感が起
こる症状です。そして、これらの下痢と便秘が交互にくりかえされるのが混合型です。
これらの症状が数か月間にわたって続くような場合に、過敏性腸症候群の疑いが強いと言
われていますが、多分に心理的な作用によるところが大きいとも言われていて、ストレス
や疲労がたまると症状が出やすく、休日やすぐにトイレに行けるような環境では症状が現
れにくいようです。また、症状は排便により一時的に改善するといった特徴もあります。
いずれにしても、原因はよくわかっていないので、病院へ行っても「ストレスや疲労で自
律神経が乱れ、腸の働きに異常が生じ、同時に知覚神経も敏感になることでお腹の張りや
痛みの症状が出る」といったような説明になるのかなと思います。
２．過敏性腸症候群の予防
過敏性腸症候群の原因が解明されていないということは、確実に予防・改善する方法もな
いということになります。なので、何らかのかたちで腸に自信をもつことです。それが医
師による診断であると思うなら、消化器内科や総合内科、心療内科を受診してみて下さい。
不規則な食事や睡眠など、生活習慣に問題があると思う人は、自分なりに問題と思われる
ところを改善し、納得することで自信につながりますし、ストレスが多いと感じるなら、
ストレスの解消方法を見つけることです。
病院へ行っても、薬を飲んでも、いまいち思うような結果が得られなかった人が、日本人
の約１割の人に同じ症状があり、経過が長く完全に治す特効薬はないが、命にかかわるこ
ともないという現実を理解した瞬間、症状がかなり改善されたという人もいます。まさに
心理的な面が作用しているという見本です。
さらに、心身に良い効果が期待できるものとして、おすすめできるのが漢方薬です。漢方
薬は東洋医学の理論に基づいて処方される医薬品で、生薬の組み合わせで安全な上に、西
洋医学のように症状だけを見て応急処置をするものではなく、体全体の調子を整えること
の結果として病気を治していくというものです。つまり、原因がわからない病気（西洋医
学では対処できない）を体質面から改善して病気を治すという漢方薬の考え方そのものが、
すでに心理的な原因により生じる症状の改善に合っていると思うのです。
何か感じるところがあれば、一度試してみても良いのかなと思います。
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