トラウマ(心的外傷)の特徴と回復へのプロセス

トラウマ(心的外傷)の特徴と回復へのプロセス

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1.トラウマ(心的外傷)とは

トラウマとは、脳がその情報処理能力を越えてストレスを受けることで、体験が十分に処
理されずに残る状態というのが心理的学的な定義です。学術的な見解というのは、このよ
うに何となくわかるようなスッキリしないことが多いのが特徴ですが、要は、災害や虐待、
暴力など、強い恐怖や無力感を伴うような出来事による心身に残る反応のことを言います。

トラウマを引き起こす経験のことをトラウマ体験といいますが、トラウマ体験後1カ月以
上経過しても反応が消えない場合にはPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断される
こともあります。

トラウマと言えば、ショッキングなシーンや恐怖のイメージで、PTSDと言えば、フラ
ッシュバックや凍りつきというのが一般的なイメージかも知れませんが、トラウマの特徴
としては、むしろ自分や他人、未来などに対してネガティブな気分を引き起こしてしまう
ことにあります。

人間の基本的信念は本来は肯定的で、どんなことがあっても自分は大丈夫、誰かが助けて
くれる、といった考えを持っています。ところがトラウマ体験をすると、この考え方が否
定的に変化してしまうのです。自分はもうダメだ、人なんてあてにできない、といった感
じで、本来持っていた肯定的な考え方が全く別の考え方に変化してしまうのです。

つまり、普通の人は、自分や未来について自信と希望を持って生きています。特に根拠は
ありませんが、そのように確信を持って生きているのです。しかし、トラウマ体験をした
人は常に否定的な感情を伴い、その表現も否定的なイメージを言語化したものになってし
まうのです。

2.トラウマからの回復プロセス

トラウマを克服すると言葉では簡単に言えますが、実際にトラウマを克服することは不可
能ではないものの、決して簡単なものではありません。そのため、あせらず、自分のペー
スで一歩ずつ前進し続けることを目標にしましょう。

トラウマ体験は、周囲の世界は危険で自分は安全ではないという感覚を植え付ける傾向に
あります。そこでまずは、自分は安全だと感じられる居場所を見つけることです。公園で
あったり、図書館であったり、自室であったり、行きつけのカフェであったりすることも
ありますが、心身ともにリラックスできて、外部の脅威から守られていると感じられるよ
うな環境が必要なのです。

次は、生活パターンを維持することです。トラウマは基本的な生活パターンを大きく乱す
ことがありますので、可能な限り規則正しい生活ができるように、日課を安定させること
が大切です。規則正しい睡眠・栄養バランスの良い食事・適度な運動などです。

そして、感情をコントロールする方法を覚えましょう。感情が不安定になったり、不安や
パニックを感じたようなときには、意識してゆっくり深く呼吸するようにします。センタ
リングという方法も役に立ちます。今、見えているものを5つ挙げる、今、聞こえている
音を4つ挙げる、今、体に触れているものを3つ挙げる、といった現実の世界に意識を向
けることで感覚を取り戻す方法です。同じように、心の中で、自分が安全で安心できる場
所をイメージすることでもリラックス効果を得ることができます。

これらのセルフケアをしながら、できれば専門家のサポートを受けることで、トラウマか
らの早期回復も期待できます。どれぐらいで回復するかは、個人の状況によってかなりの
違いがありますので一概には言えませんが、専門的な治療をうけることで、数か月から1
年程度で症状が大きく改善することが期待できるとされています。ただ、トラウマ体験が
複雑であったり、幼少期からの長期にわたる虐待などがトラウマとなっているケースでは
回復にも時間がかかると言われています。

いずれにしても、トラウマの克服には時間がかかりますし、回復までには症状に波がある
ことを理解して、あせらず自分のペースで治療に取り組むようにして下さい。