1.上の血圧と下の血圧の違い
血圧とは血液が血管を押す圧力のことです。なので、血液の量が増えたり、血管が収縮す
ると、血圧が上がります。逆に、血液の量が減ったり、血管が拡張すると、血圧は下がり
ます。
一般的に、上の血圧(収縮期血圧)と呼ばれているのは、心臓が縮まった状態(収縮)で
血液を動脈に押し出したときの圧力の値です。血管には多くの血液が流れ込みますので、
圧力は高くなるのが普通です。
下の血圧(拡張期血圧)と呼ばれているのは、心臓が広がった状態(拡張)で心臓に血液
を溜めているときの圧力の値で、血管の血液が少なくなっていますので、普通は圧力が低
くなります。
つまり、心臓が血液を大動脈に送り出して、大動脈の血液量が増えたときの圧力が「上の
血圧」で、心臓が血液を取り込んで、大動脈の血液量が減ったときの圧力が「下の血圧」
ということになります。

日本では、高血圧の基準を上が140mmHg、下が90mmHgとされています。いず
れかがこれ以上になると高血圧と診断されることになりますが、実は、数値というものは
かなり高い状態でなければ、それほど心配するようなものでもありません。40年ほど前
までは年齢プラス90が標準とされていましたし、今でもそれをもって基準としている医
師も稀ではありません。
ただ、動脈硬化を指摘されているような人は、高血圧状態が続くことには注意が必要かも
知れません。常に血管に高圧力が加わることで、さらに動脈硬化が進行して、最悪血管の
破裂といったことも起こり得ます。
2.血圧が高いと何が問題なのか
一般的に、血圧と言えば上(収縮期血圧)が高い状態と考える傾向にありますが、下(拡
張期血圧)が高い場合も高血圧になります。ただ、現在の基準値が低すぎると考えている
医師も少なくなく、普通に基準値を少し上回るレベルでは、高血圧と考えていないことに
なります。つまり、年齢プラス90(60歳なら150)までは正常範囲と考えていると
いうことで、現在の基準値を少しぐらい上回っていても、それほど問題はないという考え
方です。
それよりも、高齢になって、下の血圧だけが下がってくる場合は、血管の老化(動脈硬化)
や心臓機能の低下が関係していることが多いので、むしろそちらの対策を考えることを優
先すべきです。また、血圧の上と下の値の差(脈圧)は約50mmHgとされていて、脈
圧の変化が大きい場合は血管疾患の可能性もあります。病院では数値だけにこだわるので
はなく、脈圧の変化などについても調べてもらうようにしましょう。
つまるところ、血圧が高いことによるリスクの多くは、血管と関係していますので、薬で
血圧の数値だけを下げても根本的な解決にはなりません。むしろ、「年齢プラス90」ま
では正常範囲という判断で、動脈硬化を予防して、強くしなやかな血管を目指すことの方
が正論なのです。

動脈硬化の予防・改善方法としては、まずは食生活の改善です。食事の内容は「和食」系
にするのが一番です。そして、腹八分目を意識することで、スマートで健康的な体質にな
ります。可能なら、1日1時間程度のウォーキングなど軽い運動も始めてみましょう。
これだけでもかなりの血圧対策になりますが、タバコを吸っている人は禁煙することもお
すすめです。それでも改善しない場合は、病院で薬物療法ということになりますが、特に
他の疾患がない場合は、食事・運動習慣を見直してみるだけで、想像以上の改善が見込め
ますので、まずは1~2カ月継続して体調の変化を感じてみましょう。
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