１．寝冷えの代表的な症状
寝冷えとは、一般的には睡眠中に体が冷えてしまうことによる体調不良のこととされてい
ます。よく知られているところでは、腹痛や下痢、筋肉痛、食欲不振など、風邪の症状と
似たようなところもあります。
寝冷えの原因となるのはもちろん体の冷えですが、実は夏の終わり頃から秋にかけて、少
し過ごしやすくなってきた頃に起こりやすいのです。もっとも、近年は真夏の暑さが厳し
いこともあり、エアコンを入れたままで寝ている人も多いため、季節感はなくなってきて
いるようなところもありますが、いずれにしても、寝ている間に体が冷えてしまうことで
体調を崩してしまうことが原因になっています。
体温は就寝後に低下し始めて４時間後ぐらいが最も低い状態になります。そして、その頃
が外気の温度も最も低くなる時間帯になることで、体が冷えやすくなるのです。夏から秋
に移行する時期には、頭の中ではまだ残暑が残っていると思っていますが、実際は明け方
には急激に温度が下がっていることが多いのです。
寝冷えで体調が悪くても病院へ行く人は少ないと思いますが、これらの症状も慢性化する
と、免疫が低下したりして、他の病気にかかりやすくなったりするリスクも高くなります
ので、早目の対策が必要になります。秋の虫の声が聞こえる頃になると、薄手の腹巻きを
しておくだけでも、かなりの寝冷え対策になります。
２．寝冷えを予防するには
寝冷えの予防には、特別なことをする訳でも、特別なものが必要になる訳でもありません。
寝るときに、自分が考えているより少し先の季節に合わせておくだけでもずいぶん違いま
す。例えば、夏用の薄手の布団から、保温性の高い布団に変えておくとか、薄手の腹巻き
を巻いて寝るといった何でもないことが、実は大きな違いになるのです。
とは言っても、過剰な重ね着などは逆効果になりますので、寝る前に布団を掛けなくても
快適に思える範囲で調整することが大切です。また、寝る前の入浴やストレッチなどの軽
い運動も寝冷え予防に効果があると言われています。
エアコンを使っている人は、室温２９℃、湿度６０％程度になるように調整して、扇風機
などで空気を循環させるようにすると効果的です。
寝ているときに何度も目が覚めるとか、朝起きたときに体がだるい、頭痛や胃もたれがす
るといった症状は、体が冷えているサインであることが多いようですので、何となくそれ
らしい自覚がある人は、できるだけ早く対策をするようにして下さい。
寝冷えの症状があるときは、温かく消化の良い食事を摂りましょう。そして、薄手の腹巻
きをして内臓を温めるように努めましょう。風邪のような症状もあるときは、とりあえず
は市販の風邪薬などを飲んでみるのも１つの方法です。ただし、仕事で車に乗るような人
は生薬系の眠くならないタイプのものを選ぶようにして下さい。風邪薬そのものが体を温
めるように出来ていますので、風邪でなくても一応の効果が期待できます。
