１．アルコールと肝臓の関係

アルコールと肝臓の関係といっても、難しい言葉を並べてみて納得
できる人はほとんどいないと思いますので、そのしくみを軽く見て
いきましょう。
 
私達がお酒を飲むと、胃で約２割、小腸で約８割が吸収されて、そ
のほとんどが肝臓で処理されることになります。
 
　　　　　
 
そこで分解されたアルコールは血液により全身をめぐって、汗や尿、
呼気などによって排出されるのですが、肝臓とは食物から取り込ん
だ栄養分などを体に必要な成分に変えたり、不要なものを解毒した
りして体を維持するために欠かせない働きをしている臓器なのです。
 
そこに大量のアルコールが入り込んでくると、中性脂肪の合成が高
まり肝臓に蓄積して脂肪肝になり、それでもどんどんアルコールが
入り込んでくると肝臓内に繊維が形成されることになり、肝繊維症
や肝硬変になったり、肝細胞が破壊されて肝炎になったりすること
になります。
 
この段階までで、断酒や治療をしなければ、いよいよ重症化して、
肝不全や肝臓癌に至っては、最悪のシナリオということになります
が、「肝臓は沈黙の臓器」とも言われるように、多少のダメージで
は特別の変化も見られません。しかし、逆に症状に気付くまでにな
ると、相当重症化していることになるのです。
 

 
このような注意にも似たような記事を目にすることも、パソコンや
スマホの普及でごく自然になっていますが、それとは逆に、現代は
日本の歴史上で最も多くアルコールを飲んでいるという恐ろしいデ
ータがあるのです。
 
２１世紀初頭のデータでは、成人１人当たりに換算すると、年間約
１００リットル、缶ビール（３５０ｃｃ）なら２８５本も飲んでい
ることになるんです。　もちろん全然飲まない人や、女性、高齢者
も含んでの数字ですから、飲む人はもっとずっと多く飲んでいるこ
とになるんですね。
 

２．上手なお酒の飲み方

少し専門的になりますが、アルコールは肝臓内で分解されるときに
２段階に分かれます。　まずはアルコール脱水素酵素により毒性の
強いアセトアルデヒドに分解され、さらにアルデヒド脱水素酵素に
よって無害化されて体外へ排出される訳ですが、日本人の半数程度
は、アルデヒド脱水素酵素の働きが弱く、無害化されにくいことで
悪酔いしたり二日酔いしたりすることになります。
 
　　　　
 
なので、このアルデヒド脱水素酵素の働きをサポートする食べ物と
一緒にアルコールを飲むということが、悪酔いや二日酔いを抑える
ことになり、更には肝臓の負担を軽くすることで病気へのリスクも
抑えることになります。
 
では、それをサポートする食品とは、しじみやアサリなどの貝類、
ゴマ、鶏肉、ひまわりの種などがありますが、酒の席でそれらがあ
るかどうかというのが問題ですね。
 
そこで、そのようなタイプのサプリメントなどがあれば都合が良い
のですが、それもなかなか難しいようです。
 
最後に薬品関係で探してみると、以前は「熊の胆（くまのい）」と
して家庭の置き薬でよく見かけた成分で、ウルソデオキシコール酸
という胆汁に直接作用してアルデヒド脱水素酵素そのものをサポ―
トする成分で、その効果は病院でも処方されているというお墨付き
です。
 
　　
 
そこに、アルコールで低下した肝臓の機能の回復を早める働きのあ
るウコンや胃のむかつきを抑えるセンブリなど、飲酒前後のフルケ
アともいうべきサプリメントが有りました。
 
金沢大学名誉教授で薬学博士の「溶けないアイスクリーム」でもお
なじみの太田富久先生も注目されています。
 
酒に弱くなったかなと感じたら、肝臓の負担を軽減してみるという
選択肢「レバウルフ」がありました。