1.頚性頭痛の原因と症状
頭痛の原因の1つとしてよく知られているのが肩こりです。そこで、その特徴とよく似た
「頭全体が締め付けられるような頭痛」が起きると、肩こりをほぐすために、首をグルグ
ル回したり、首のストレッチをする人が多いですが、実は、その対処法は間違っているこ
ともあります。

若いころから肩こりで頭痛を経験している人が、50代(シニア世代)になってから同じ
ような頭痛を感じた場合は、若いころのように首をグルグル回すような対処法では、むし
ろ症状を悪化させてしまうこともあります。
高齢になると、首の骨のゆがみやズレにより神経が圧迫されて、脳からの指令伝達が阻害
(サブラクセーション)されて、頚椎周辺の筋肉が拘縮して頚椎障害が起きることで、頸
部の痛みやこわばり、めまい、頭痛などの症状がでることがあります。いわゆる、サブラ
クセーションの代償的な症状として引き起こされる1つの症状に頚性頭痛があるのです。
そのようなときに、首をグルグル回したり、我流で首のストレッチをすると、首の神経に
はさらに負担がかかって頭痛が悪化することになります。肩のこりからくる頭痛(緊張型
頭痛)も頚性頭痛も、頭部から首の後ろにかけて痛みを感じるという点では共通していま
すが、それが首のこりであるのか肩のこりであるのかを十分見極めて対処する必要があり
ます。特に頚椎にゆがみやズレが生じやすい50代以降には慎重な判断が必要です。
また、近年はパソコンやスマートフォンなどの普及で、若い人でも首こりの症状が現れる
人も少なくありませんので、頭痛には、肩こり・首こりの両面を考える必要があります。
2.頚性頭痛の適切な対処法
頚性頭痛(頚椎症)は一般的に高齢者に多いとされていましたが、近年のパソコンやスマ
ートフォン操作などによる姿勢の影響で、加齢以外にも頚椎への負担が多くなった結果、
年齢を問わず頚椎症が引き起こされる可能性が指摘されています。その代表的なものにス
マホ首(ストレートネック)がありますが、症状が悪化すると、首こり・肩こり・背中の
こりだけではなく、頭痛や吐き気、しびれなどの症状がでることもあります。
頚性頭痛の対処の仕方は、高齢者と若者では多少の違いはありますが、ここでは共通の対
処法を中心にした頭痛の改善法です。
まずは、必要以外のパソコンやスマートフォンの使用を控えることです。姿勢が悪くなる
上に首周辺の筋肉に大きな負荷がかかります。結果、頚椎のゆがみや血行不良が起こり、
首の痛みや頭痛の原因になります。

肩のこりや首のこりが気になる場合は、とりあえずは首や肩を温めてみましょう。血行が
促進されることで症状が緩和される場合があります。
次は、使い過ぎや使う機会が少なくて硬くなった筋肉を、もとの状態にもどす運動をして
みましょう。仰向けに寝て、首の下にタオルなどを丸めて当てて、後頭部が軽く床に触れ
る程度に調整します。そのままの状態で、両ひざを閉じて立てます。全身の力を抜いて、
膝を肩幅くらいに小さく揺らせます。
頭痛がしていても仕事を休めないという場合は、市販の痛み止めなどの使用もやむを得ま
せんが、常態化すると問題ですので、痛むたびに薬が必要というような場合は早目に医師
に相談するようにしましょう。首の痛みや頭痛は脳神経内科や脳神経外科が普通ですが、
近年は「頭痛外来」という診療科が設置されていることもあるようです。