1.敗血症とは何か
敗血症とは、感染症によって起きる重い臓器障害のことです。障害によって臓器の機能が
低下すると、当然のことながら体にもさまざまな症状が出てきますが、特に重要な臓器に
障害が起きると生命にも危険が及ぶことがあります。

敗血症の原因は感染症ですので、どんな感染症でもそのリスクはありますが、なかでも、
呼吸器感染症・血管内感染症・胆道感染症・腹腔内感染症・尿路感染症によるリスクが高
いとされています。
また、糖尿病や肝硬変、ガンで治療中の人や手術後の人、人工物が埋め込まれている人、
免疫抑制治療を受けている人などは、敗血症になりやすいというか、その前の感染症にか
かりやすい傾向にありますので、結果として敗血症にもなりやすいということになります。
もちろん、健康な人でも敗血症になりますが、これらに該当する人は感染症にかかりやす
い上に重症化もしやすいため、まずは感染症にかからないこと、感染症にかかっても重症
化させないようにすることが大切です。
敗血症が起きると、まずは体温に異常が出る・呼吸回数が増える・脈拍数が増えるといっ
た症状が見られるようになります。特に呼吸数が1分間に22回を越えるような状態にな
ると注意が必要です。
さらに重症化すると、脈が触れない・冷や汗が出る・意識がはっきりしない・息が苦しく
なる・皮膚に紅斑が出る・出血しやすくなる、などの症状が現れるようになりますが、こ
の状態では誰にでも危険な状態であることがわかると思いますので、すぐに医療機関で詳
しい検査を受けるようにして下さい。
2.敗血症の予防法
敗血症は感染症によって重い臓器障害が起きる状態ですので、予防するには「感染症にか
からない」「感染症を悪化させない」ことが重要ポイントになります。
そのためには、手洗いやうがい、マスクなど、一般的に感染症対策として注意喚起されて
いるようなことを徹底することから始めてみるのが良いかも知れません。実際のところ、
これだけでもかなりの細菌の侵入阻止効果があると言われています。
また、特定の感染症(肺炎やインフルエンザなど)に対するワクチンもありますので、必
要と思う人は接種するという選択肢もあります。私個人としては、ワクチン効果は信じて
いない方なので、特におすすめするものでもありません。それよりは、規則正しい生活や
適度な運動、十分な睡眠、栄養バランスの良い食事などを通して、免疫の向上に努めるこ
とをおすすめしたいと思います。

感染症と言えば、空気中にさまようウイルスや細菌をイメージする人が多いですが、他に
も真菌や寄生虫などの病原体が感染することでも生じます。つまり、手洗い・うがい・マ
スクはよく知られていますが、皮膚のバリア機能も感染症に大きく関係しているのです。
切り傷や擦り傷はもちろん、肌荒れ、ひび割れ、水ぶくれなど、本来あまり意識していな
いところにも感染症のリスクは存在していると考えなければなりません。
ただ、いくら注意していても、感染症に絶対かからないということはあり得ません。もし
感染症にかかったら、初期症状を見逃さないことと、重症化させないことが敗血症を防ぐ
一番の方法になります。体温・呼吸・皮膚の変化などに注意しながら、もし重症化するサ
インに気付いたら、迷うことなく医療機関を受診するようにしましょう。