1.ノロウイルスが感染する経路
結論から言うと、ノロウイルスの主な感染経路は経口感染です。つまり、感染者の便や嘔
吐物に触れた手で、食品を調理して、それを食べることで感染するケースが大半です。ま
た、ノロウイルスに汚染された牡蛎などを、生や不十分な加熱処理で食べることでも感染
します。
そして、ドアノブや手すりなど、感染者が触れたものに触れた手で口に触れるだけでも感
染したり、感染者の嘔吐物が飛散したものを吸い込むことでも感染する可能性があります。
ノロウイルスの感染力は非常に強く、わずか数十個程度のウイルスの粒子でも感染してし
まうと言われています。免疫の低い乳幼児や高齢者はもちろん、免疫機能が低下している
人も、感染・重症化リスクが高くなりますので、十分な注意が必要です。一般的には、冬
場の感染症と考えられていますが、一年を通して発生する可能性があります。

ノロウイルスに感染しても、症状が出るまでに1~2日の潜伏期間があります。そして、
突然「強い嘔吐や下痢」といった症状が現れます。水のような下痢が頻繁に起こり、強い
腹痛や軽度の発熱(38℃以下)を伴うこともあります。
症状は2~3日で治まることが多いですが、なかには抵抗力が落ちているような場合には
重症化することもあります。治療は脱水予防などの対症療法が中心になりますが、重症化
しているような場合には、消化器内科や内科を受診するようにして下さい。
ノロウイルスは熱や乾燥に強く、アルコール消毒でも死滅しませんので、感染力が持続す
る傾向にあります。家族に感染者が出た場合には、調理器具やドアノブなど、手に触れる
ところはしっかり消毒する必要があります。
2.ノロウイルスの適切な対処法
手の消毒と言えばすぐに思いつくのがアルコールですが、ノロウイルスの場合はそのアル
コール消毒が役に立ちません。なので、石鹸と流水による徹底した手洗いが中心になりま
す。指の間、爪の間、手の甲、手首まで、丁寧に洗い、十分に流水ですすぐというのが基
本になります。

まな板や包丁などの調理器具も、洗浄後に次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒すると効果的
です。嘔吐物や便には大量のウイルスが含まれていますので、処理には使い捨て手袋やマ
スクを着用して、周囲は次亜塩素酸ナトリウムで拭き取るようにして下さい。
ノロウイルスには特効薬がないため、治療の基本は「安静」と「水分補給」をしながら回
復を待つことになります。ただし、嘔吐や下痢が続いて水分が摂れない、尿が出ない、グ
ッタリしているような場合は医療機関で受診が必要です。特に、乳幼児や高齢者の場合は
早目の受診をおすすめします。
水分補給は、できれば、水やお茶ではなく、経口補水液やスポーツドリンクなど、塩分と
糖分がバランス良く含まれたものがおすすめです。少量ずつ、頻繁に摂取して下さい。
そして、ノロウイルスは激しい下痢が特徴的な症状ですが、そのようなときに無意識にや
ってしまう間違いが「下痢止め薬」を飲むことです。下痢はウイルスを体外に排出するた
めの防御反応ですので、薬で無理やり止めてしまうとウイルスの排出が遅れることになり、
回復が遅れたり、症状が長期化する原因になります。自己判断による下痢止め薬の使用は
やめましょう。
