1.O157の初期症状
食中毒と言えば、O157とノロウイルスがよく知られていますが、どちらも一年を通し
て発生する食中毒です。O157(腸管出血性大腸菌)は初夏から初秋にかけて多発する
食中毒で、生肉などの食品を介して感染します。ノロウイルスも食品や水を通してウイル
スが感染する食中毒ですが、こちらは食品中で増殖することはないものの、強い感染力の
ウイルスが付着した食品を口にすることで引き起こされ、冬季に多く発生する傾向にある
という違いがあります。

O157は菌に汚染された食品を摂取したり、感染した人の便に含まれる菌が口に入るこ
とで感染しますが、話をしたり、咳やくしゃみ、汗などで感染することはありません。
O157に感染すると、2~7日間程度の潜伏期間を経て、下痢や腹痛が現れます。発熱
はそれほど気になるレベルではありませんが、血便をともなうことが多いので、むしろそ
ちらの方で驚かれる人が多いかも知れません。
原因となるのは、牛や豚、羊などの家畜の腸内で生息している菌で、家畜の糞便に汚染さ
れた食物や水を摂取することで感染することが多いとされています。
普通の成人では、比較的軽い症状で治まることが多いですが、小さな子供や高齢者に感染
すると腎臓に影響が出るような後遺症が残ることがあり、溶血性尿毒症症候群などの命に
かかわる合併症を引き起こすこともありますので注意が必要です。
症状は一週間前後で回復しますが、激しい腹痛や血便を見ると、ほとんどの人は病院へ行
くと思います。ただ、それまでに市販の下痢止めなどは使用しないようにして、できるだ
け早く医師の診断を受けるようにして下さい。
2.O157の対処方法
O157の主な感染源は、生肉(牛肉、生レバーなど)、加熱不十分な肉料理やタタキ、
放牧地の近くの畑でとれた野菜類、未消毒の水、感染者の排泄物、調理器具、などとされ
ています。一般的に感染症の病原菌は、増殖して10万個以上になると感染すると言われ
ていますが、O157の場合は非常に強力で、わずか10個程度の菌数でも発症すると言
われています。

具体的な予防・対処方法としては、食材はしっかり加熱する(中心温度75℃以上で1分
以上加熱すること、調理前・排便後の手洗いは徹底して行う、生肉と野菜の調理器具は別
にする、食材の保存温度に注意して、生食をさけること、調理場やトイレの消毒をしっか
りと行うことなどです。
また、家庭内で感染者が出たときは、ドアノブ、水道蛇口など、共有接触部分も十分に消
毒して二次感染の予防につなげましょう。そして、吐しゃ物や便の処理にはゴム手袋を使
用して素手で触れないようにする、感染者のタオルや食器は共有せず、分けて洗浄・消毒
するようにして下さい。
O157対策の基本は、手洗い・加熱・清潔な調理環境です。感染者が出ても慌てること
のないように、使い捨てマスク・手袋(ゴム手袋)非接触体温計、次亜塩酸ナトリウム液
を常備しておくようにしましょう。次亜塩酸ナトリウム液がない場合は、家庭用の漂白剤
を薄めて使用してもかまいませんが、薄め方を覚えておく必要があります。普通は0.02
~0.1%と言われています。例えば、0.05%の消毒液をつくるなら、500ccの水
に5ccの漂白剤を使うことになります。