1.急性胃腸炎の原因と症状
ウイルスや細菌などが、胃や腸の粘膜に急性の炎症を起こす病気のことを急性胃腸炎と言
います。原因の多くはウイルスによるものですが、その代表的な症状は「腹痛」「下痢」
「嘔吐」「発熱」とされています。
もう少し詳しく言うと、腹痛は、みぞおちから下腹部にかけて、キリキリ・ギューッ・シ
クシクといった痛みが起きて、下痢や嘔吐を伴うことが多いと言われています。

下痢は、水のような便(水様便)が何度も出るのが特徴ですが、これはウイルスや細菌、
毒素などを排出しようとする体の防衛反応ですので、自己判断で市販の下痢止め薬などを
使用するのはやめましょう。病原体の排出を妨げることになり、回復を遅らせることにな
ったりします。
嘔吐も胃に入った有害物質を排出しようとする体の防衛反応ですが、ウイルス性胃腸炎の
初期に(特に子供)多く見られます。
発熱は、体温を上げることで免疫細胞を活性化し、病原菌の増殖を抑えるためのプロセス
です。熱は38℃以上まで出ることがありますので、悪寒・関節痛・頭痛・倦怠感なども
伴うことがあります。
急性胃腸炎の場合のほとんどは、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス感染が原因
ですが、現状ではこれらのウイルスの特効薬はありません。つまり、失われた水分を補給
するのが治療の中心ということになります。何とも心もとないような気もしますが、普通
は、自宅で安静にして、水分補給を続けることで数日で回復に向かいます。
ただ、水分が摂れない、意識がもうろうとしている、脱水がひどい、腹痛が激しい、便や
嘔吐物が異常、高熱(38.5℃以上) が下がらない、けいれん、呼吸困難などの危険な
症状がある場合は、すぐに病院へ行く必要があります。
2.急性胃腸炎の対処の仕方
同じウイルスに感染しても、症状の重さには個人差があります。その人の体質や免疫の違
いによるものですが、急性胃腸炎の場合は、まずは経口補水液などで水分補給をすること
です。嘔吐後には30分程度経過してから、スプーン1杯程度の水分補給、その後は10
分間隔くらいで、こまめな水分補給(できれば常温のもの)を行います。

急性胃腸炎の基本治療は水分と電解質の補給ですので、経口補水液を常備しておくと役に
立ちます。
やがて食欲が出てきたら、消化に良いおかゆやうどんなどを少量ずつ様子を見ながら食べ
るようにします。脂っこいもの、食物繊維の多いものなどは避けて下さい。
下痢止め薬や解熱剤などの市販薬を自己判断で使用するのはやめましょう。また、高熱が
24時間以上続く、水分が摂れない、尿が極端に少ない、意識がはっきりしない、けいれ
んなどが有るようながときは、迷わず医療機関の受診を考えて下さい。
症状が軽くなってきても、仕事や学校に復帰するのは少し先になります。急性胃腸炎は、
学校保険安全法の予防すべき感染症に指定されており、全身状態が良好になるまでは登校
不可ということになっています。一般的には、嘔吐や下痢などの症状が完全に治り、普段
の食事ができるようになってから、さらに24~48時間の安静期間を自宅で過ごしてか
らの復帰ということになります。自身の体調と周囲の人への感染も考えて行動するという
ことです。
急性胃腸炎の症状は辛く、不安になることも多いと思いますが、適切に対処すれば、自然
に回復に向かいますので、焦らず、ゆっくりと体をやすませることが大切です。